台湾、中国の軍事演習は「非理性的な挑発」と非難 「頼総統演説を口実」式典前から警戒
産経ニュース / 2024年10月14日 11時55分
【台北=西見由章】中国軍東部戦区が台湾を取り囲む形での大規模な軍事演習の実施を発表したのを受けて、台湾の国防部(国防省に相当)は14日、「非理性的な挑発行為だ」として「強烈な非難」を表明した。すでに軍の規定に基づいて兵力を派遣し対応しているとし、「実際の行動によって自由と民主主義、中華民国(台湾)の主権を守る」と強調した。
台湾当局は、建国記念日に当たる10日の「双十節」式典で頼清徳総統が演説する内容を口実に、中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を行う可能性が高いとみて式典前から警戒を高めていた。
国防部は頼総統の演説について「両岸(中台)関係の現状と、台湾海峡の平和と安定、人民の幸福を守る固い意志を明確にした。また気候変動や防疫措置の面で両岸が協力し、平和的共栄を追求することを提案した」などと指摘。「いずれも前向きな主張であり、中国共産党がいう『挑発により問題を引き起こした』との主張はまったく事実と違う」と批判した。
さらに「両岸の緊張を激化させ、台湾海峡の平和と安定を破壊しているのは、実際には中国共産党によるさまざまな非理性的な挑発行為だ」と断じた。
また台湾の対中政策を主管する大陸委員会は14日、中国軍による軍事演習について「台湾海峡やインド太平洋地域の安全と、世界の民主主義と平和に対する公然とした挑発だ」と非難。中国の習近平国家主席が2022年に提唱した、世界の紛争解決などを訴える「グローバル安全保障イニシアチブ(GSI)」に対して「ただの虚言であることが一層裏付けられた」と指摘した。
頼総統は10日の演説で、統一圧力を強める中国を念頭に「国家の主権を堅持し、侵略と併呑を許さない」と決意を述べつつ、「台湾海峡の平和と安定という現状を維持するわれわれの努力は変わらない」と言及し、現状維持路線を継続する姿勢を改めて示していた。
また「中華民国はすでに台澎金馬(台湾本島と澎湖諸島、金門島、馬祖列島)に根を下ろしており、中華人民共和国(中国)とは互いに隷属していない」と述べ、5月の就任演説で強調した「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」との立場を再び示した。中国当局はこの頼氏の主張について「新たな(中国と台湾は国と国との関係だという)二国論」だとして反発している。
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