トランプ米大統領就任、中国は硬軟両様で構え 台湾は国防政策に注目もくすぶる疑米論
産経ニュース / 2025年1月21日 20時4分
米大統領に20日就任したトランプ氏について、中国は大統領就任前から硬軟両様の構えで備えを進めてきた。習近平国家主席は17日、就任を目前に控えたトランプ氏との電話会談に臨み、「中米という2つの大型船を安定的で健全、持続可能な発展の航路に沿って絶えず前進させなければならない」と呼び掛けた。中国は、意思疎通の継続を米側に求めている。
一方で、対中圧力には対抗姿勢を示す。昨年12月には半導体材料に使う希少金属(レアメタル)であるガリウムなどの米国向け輸出を禁止すると発表した。トランプ氏が公約する関税の大幅引き上げなど対中圧力を実行に移した際の「報復カード」を整える狙いもうかがわれる。
中国はまた、日本や韓国、インドなど関係が冷え込んでいた国々との関係の立て直しを急いでいる。「米国第一」を掲げるトランプ政権を前に包囲網を崩す狙いが指摘されている。
一方、中国の統一圧力にさらされる台湾の頼清徳政権は、トランプ政権の外交・国防政策が台湾海峡情勢に大きな影響を与えるとみて注視している。
「われわれの半導体を盗んだ」などと台湾に厳しい見方も示すトランプ氏に対し、頼政権は高額兵器の大規模購入に意欲的な姿勢を示すことで、対米関係の安定と対中抑止力の強化を同時に実現したい考えだ。
ただ、台湾世論の一部には「中国との取引(ディール)で台湾を売り渡すのでは」といった「疑米論」もくすぶる。(北京 三塚聖平、台北 西見由章)
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