台湾・頼総統「侵略と併呑許さぬ」 中台「互いに隷属せず」再び強調 双十節で演説
産経ニュース / 2024年10月10日 13時10分
【台北=西見由章】台湾の頼清徳総統は10日、台北の総統府前で行われた建国記念日に当たる「双十節」の式典で演説し、「私の使命は国の生存と発展を確保し、2300万人の台湾人民を団結させることだ」と述べ、統一圧力を強める中国を念頭に「国家の主権を堅持し、侵略と併呑を許さない」と決意を示した。
頼氏は「台湾海峡の平和と安定という現状を維持するわれわれの努力は変わらない」とも言及し、対中政策は現状維持路線を継続する姿勢を改めて示した。
頼氏は「中華民国(台湾)はすでに台澎金馬(台湾本島と澎湖諸島、金門島、馬祖列島)に根を下ろしており、中華人民共和国(中国)とは互いに隷属していない」と述べた。5月の就任演説で強調した「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属していない」との立場を改めて示した形だ。中国はこの頼氏の主張について「新たな(中国と台湾は国と国との関係だという)二国論」だとして反発している。
頼氏は10日の演説で「民主主義と自由がこの地(台湾)でしっかり育った。中華人民共和国に台湾を代表する権利はない」と述べた。一方、中国との間で「互いに受け入れあい、手を携えて前進することを一貫して願っている」とも強調した。
頼氏は「国の呼び方として中華民国、台湾、中華民国台湾のいずれを好むとしても、われわれには共通の信念が必要だ」と述べ、政治的立場により分断されがちな台湾人に団結を求めた。
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