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台湾第3党に「政治とカネ」スキャンダル 党トップが3カ月休職を表明

産経ニュース / 2024年8月29日 18時58分

台湾民衆党主席(党首)の柯文哲氏=1月10日、台湾・基隆(松本健吾撮影)

【台北=西見由章】今年年1月に台湾の総統選と同時に行われた立法院(国会に相当、定数113)選で躍進し、第3党としてキャスチングボートを握る台湾民衆党が「政治とカネ」を巡るスキャンダルに見舞われ、結党以来の危機を迎えている。柯文哲党主席(党首)は29日記者会見を開き、「支持者を失望させた」などとしておわびを表明、3カ月間休職して党に問題を調査させる意向を明らかにした。

政治腐敗批判も金銭醜聞

民衆党は外科医出身で台北市長となった柯氏が2019年に結党。民進党と最大野党、中国国民党の二大政党による旧態依然の政治対立や腐敗体質を批判し、無党派の若者の支持を集めた。総統選に出馬した柯氏は26・46%を得票し、次点の国民党候補に約7ポイント差に迫った。立法院選で民衆党は5議席から8議席に拡大した。

ところが8月初旬以降、柯氏を巡る金銭スキャンダルが相次いで噴出した。台湾メディアは総統選での柯氏の政治献金の会計報告を巡り、多額の不透明な資金の流れを追及。民衆党は29日の会見で、帳簿処理を委託した会計士が計1916万元(約8700万円)分の支出を虚偽報告したが、実際は正常な選挙費用に使われており流用はないとする調査結果を報告した。

「反感」65%に

ただ、柯氏を巡っては総統選の得票に応じて支給される選挙補助金を利用して4300万元で不動産を購入していたことが判明。台北市長時代に商業ビルの開発を巡って市当局が容積率を不当に引き上げたとされる贈収賄事件への関与の有無も捜査の焦点となっている。

台湾メディアの美麗島電子報が26日公表した世論調査によると、民衆党に「反感」を持つ人の割合は結党以来最高の65・3%で、1月から15・7ポイント上昇した。

民衆党の党勢が後退した場合、一部支持者が戻ることで民進党に一定程度有利に働く可能性がある。ただ民衆党の立法委員が離党する可能性は低い。いずれも比例代表の議席で、党籍を離れると議員資格も失うためだ。立法院はどの党も過半数に達しておらず、第1党の国民党が民衆党と協力して法案審議を主導する局面が目立っていたが、この構図は当面続きそうだ。

民進党系シンクタンクの政治研究者は柯氏が党首を辞任する可能性を指摘した上で「民衆党の支持者は純粋に政治改革を求めていたので金銭問題への失望は大きい。もともと組織力もないため、今後は影響力が弱まり、26年の統一地方選でも首長ポストをとるのは難しいだろう」と分析した。

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