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フィリピンの女性市長に「中国のスパイ」疑惑 指紋で別人と判明、中国人の可能性が高く

産経ニュース / 2024年7月1日 15時3分

フィリピン国旗

南シナ海の領有権問題で中国と対立を深めるフィリピンで、「中国のスパイ」疑惑が浮上した。2022年にフィリピン北部で就任した女性市長について、捜査当局は中国人だった可能性が強いと指摘した。市長をカジノ犯罪関与の疑いで調べ、実態解明を進めている。

問題となっているのは、首都マニラ北部にあるバンバン市のアリス・グォ市長。黒髪で東洋人の風貌をしており、30代と主張している。22年の市長選に立候補したときは、地元で生まれたと申告していた。

騒ぎの発端は今年3月、警察が市内のカジノ賭博場を摘発したことだった。英BBC放送によると、賭博客の多くは中国人で、市長が敷地の多くを所有していたことが分かった。市長には出生や就学証明の文書がなく、「中国人では」という疑惑が浮上。マルコス大統領は「彼女がどこから来たのか分からない。市民権の問題がある」として、捜査を指示した。

福建省生まれ?

市長は上院の喚問などで、父は中国人で母はフィリピン人メイドだったと主張した。非嫡出子として農場で育てられたため、素性を示す証明書がないのだと釈明した。

フィリピン紙スターによると、6月末になって捜査当局は、市長の指紋が別の中国人女性のものと一致したと発表した。疑惑を追及してきた上院議員は、この中国人女性は2003年にフィリピンに入国し、中国旅券に「1990年に福建省で生まれた」と記されていたと明かした。

バンバン市のカジノ賭博組織は、中国人やフィリピン人ら数百人の女性を監禁していたことも発覚した。大統領府直轄の組織犯罪対策委員会は、市長らが、違法なオンライン賭博や人身売買に関与した疑いがあるとみて告発した。市長は5月、捜査開始にあわせてオンブズマン組織から職務停止命令を受けている。

バンバン市は、人口約7万8千人。南シナ海にあるルソン島の都市で、中国広東省の深圳市から約1000キロの距離に位置する。

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