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中国がレアアース管理条例施行 米国対抗で「国家の所有」を明記、罰則も

産経ニュース / 2024年9月30日 20時0分

【北京=三塚聖平】中国は10月1日、ハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)に関する国家の管理を強化する「レアアース管理条例」を施行する。中国共産党と政府による管理を採掘から輸出に至るまで全過程で徹底する。対立を深める米国もにらみ、現代の産業に欠かせない戦略資源の囲い込みを進める考えとみられる。

現代工業に不可欠な戦略資源

管理条例は、レアアースについて「国家の所有に属する」と明記した。その上で「いかなる組織や個人も資源を不法に占有、破壊してはならない」と規定し、管理をサプライチェーン(供給網)の全体に適用する。共産党と国家の方針に基づいてレアアースを管理し、資源の保護と開発・利用を重視すると定めたほか、罰則規定も盛り込んでいる。

司法省と工業情報化省の責任者は6月に発表した談話で、管理条例について「レアアースは現代の工業に欠かせない重要な元素、戦略資源だ」と指摘した。共産党指導部と政府が「レアアース資源の保護と産業の発展を非常に重視している」と条例制定の背景を説明した。

重要資源の管理広げる

電気自動車(EV)用モーターに使われる磁石の材料となる「ネオジム」など、レアアースは現代の産業には欠かせない資源となっている。中国は主要生産国で、米地質調査所(USGS)によると2023年の世界生産に占めるシェアは約7割を占めている。

中国は、党・政府による管理を強めることで世界で優位的な立場を今後も保つ考えとみられる。そのためにも資源の乱開発に歯止めをかけるほか、採掘などに関する海外への技術流出を防ぐといった狙いがうかがわれる。中国でスパイ摘発を担う国家安全省は5月、一部の海外の情報機関がレアアースに関する情報や技術を盗み、「わが国の資源の安全に損害をもたらした」と主張している。

また、半導体の輸出規制などで対中圧力を強めている日米欧への対抗という狙いもうかがわれる。中国政府は重要鉱物資源の国家管理を着々と進めており、9月15日にも半導体材料などに使われるレアメタル(希少金属)の一種であるアンチモンの関連品目を輸出規制の対象に加えた。昨年にはガリウムやゲルマニウム、黒鉛を規制品目に追加。今後も規制対象を拡大させる可能性があり、日本企業に与える影響も注視される。

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