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中国軍事演習のきっかけ、台湾総統「双十節」演説は口実か 専門家「祖国論」の懲罰と分析

産経ニュース / 2024年10月15日 20時34分

台湾の「双十節」式典で演説する頼清徳総統=10日、台北市(西見由章撮影)

【台北=西見由章】「中華人民共和国(中国)は中華民国(台湾)の人々の祖国には絶対になり得ない」。台湾の頼清徳総統は今月5日にこう発言し、統一を拒否する「祖国論」を訴えていた。台湾の専門家からは、中国軍が14日に実施した台湾周辺演習の最大の目的が、頼氏の主張に対する懲罰にあったとの見方が出ている。

演習について「第1に政治的な目的があった」とみるのは、台湾の国防部(国防省に相当)系シンクタンク「国防安全研究院」の沈明室国家安全研究所長だ。中国軍は天候の理由で例年4~11月に大規模演習を行っており、これを利用して政治的なメッセージを出すことがあると沈氏は指摘する。

5日の「祖国論」でメンツを失い激怒した中国側は、演習を通じた懲罰と警告の機会をうかがった。しかし、頼氏は中華人民共和国よりも中華民国のほうが歴史が長いという事実を述べたに過ぎない。そこで、10日の頼氏の「双十節」演説を口実に演習を行った-。沈氏はそう分析した。

では、演習の軍事的な目的は何か。中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区は演習開始前、「重要港と重要エリアの封鎖」を演習項目に挙げた。台湾の国防部の担当者は南部高雄など、重要港があるエリアが標的になったとの見方を示した。沈氏は演習の軍事目的を「今後、台湾を封鎖する際のリハーサルだ」と解説する。

今回の演習では空母「遼寧」が台湾南東海域に展開。艦載戦闘機「殲15」が台湾東部の空域に進入した。沈氏は台湾有事の際の空母の役割について「最も重要な任務は米軍の介入を阻止する『A2AD』(接近阻止・領域拒否)だ。艦載機で台湾を東側から攻撃する任務もある」とした。

沈氏はまた、演習が1日で終了した背景について「米中関係に影響するのを避けた」と指摘。台湾当局が事前に演習の実施を予測して準備を進めていたこともあり、「台湾への威嚇効果が少なかった」ために、演習の早期の終了を決めたと分析した。

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