中国がＥＵ輸入豚肉のダンピング調査開始 中国ＥＶに対する追加関税方針への対抗措置か

【北京＝三塚聖平】中国政府は１７日、欧州連合（ＥＵ）から輸入している豚肉と関連製品についてダンピング（不当廉売）に関する調査を同日開始したと発表した。欧州連合（ＥＵ）が中国製の電気自動車（ＥＶ）に追加関税を課す方針を表明したことへの対抗措置の一環とみられる。

商務省の担当部門が同日発表した談話で、中国の関連法や世界貿易機関（ＷＴＯ）のルールに従って調査を始めることを決めたと強調した。ＥＵ側への対抗措置であるかどうかについては触れていない。

中国側が不当だと判断すれば関税引き上げなどの措置に踏み切る可能性がある。通常では調査は来年６月１７日までに終了するが、特別な事情があれば６カ月延長されるという。

ＥＵ欧州委員会は今月１２日、中国製ＥＶについて「不当な補助金を受け取っている」と暫定的に判断したと発表。中国当局との協議が不調に終われば７月以降、中国から輸入されるＥＶに最大で３８・１％の関税を課すと警告した。中国商務省は同日発表の報道官談話で「一切の必要な措置をとり、中国企業の合法的な権益を守り抜く」と対抗措置を示唆していた。