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台湾、立法院改革案への「中国関与」は「フェイク」 第2野党民衆党委員団トップ

産経ニュース / 2024年6月21日 18時24分

取材に応じる台湾民衆党委員団トップの黄国昌氏=19日、台北市(西見由章撮影)

台湾の第2野党、台湾民衆党の立法委員(国会議員に相当)団トップ、黄国昌氏(50)が産経新聞の取材に応じた。与党・民主進歩党が強硬に反対する中、立法院(国会)の権限を強化する関連法案を推進する理由や、立法院のキャスチングボートを握る民衆党の今後の活動方針について聞いた。

--なぜ最大野党の中国国民党と協力して立法院改革法案を進めているのか。1月の選挙で民衆党に投票した人の中には「国民党にべったりだ」として失望を表す人もいる

「2月に民衆党と国民党の幹部による協議を行い、双方の優先法案リストを突き合わせた結果、立法院改革など3つの法案を協力して進めることになった」

改革推進は公約

「立法院改革は民衆党が選挙前の昨年12月から一貫して主張してきた。行政と立法の関係はチェック・アンド・バランスであるべきだが、台湾では行政権が強すぎて、立法権は有効な監督を行うことができない」

「民進党は、野党だった時代は立法院改革を進めようとしたが、政権を獲ってからは後ろ向きになった。公聴・調査制度の創設や政府人事への同意手続きの厳格化は民進党が過去に主張していた内容だ」

「われわれは選挙での公約を履行しており、国民党はそれを支持している。小さな政党は大規模政党と協力しなければ少しも前に進まない。われわれは8議席しかない」

「一部の民衆党支持者が失望している原因は、立法院改革法案などを進めていることでは決してない。なぜなら公約だからだ。われわれは国民党が提出する法案にすべて賛成するわけではない。民衆党支持者の一部が失望している理由は、一部の台湾メディアの影響を受けているからだ」

偽情報の証拠がない

--野党が進める立法院改革法案は民進党政権の力を弱めるのが目的で、その背後で中国共産党が動いているとの指摘もある

「民進党委員団トップの柯建銘氏は、法案の背後で(中国国家主席の)習近平氏が指揮していると言ったが、証拠を出してほしい。何もない。これは偽情報でありフェイクニュースだ」

--民衆党は今後も国民党と協力していくのか。民進党と協力する可能性は

「国家の利益は政党の利益よりも上位にある。われわれの主張を支持するのならば誰とでも協力する。住宅価格の高騰問題や腐敗防止を巡る改革などでは民進党とぜひ協力したい。国民党との協力も議題による」

民主と法治の維持変わらず

--あなたはかつて「ヒマワリ学生運動」に参加し、(台湾独立派の)政党「時代力量」の主席も務めた。現在も中国に対する態度に変化はないのか

「(台湾民衆党主席の)柯文哲氏と交わした覚書には、台湾を正常な国家とすることを共同の目標とし、その主権と尊厳、民主と法治を維持する原則が盛り込まれている。私のこうした立場は変わっていない」

「民進党は抗中保台(中国に対抗し台湾を守る)というフレーズを利用して、自らの腐敗と権力の乱用を覆い隠そうとしている。それが、私が民進党とたもとを分かった理由だ」

民進党は約束をほご

--ヒマワリ学生運動について、現在どう評価しているか。立法院改革に反対する街頭デモ「青い鳥運動」を「ヒマワリ学生運動2・0」と呼ぶ声もある

「ヒマワリ学生運動は非常に重要な意義のある運動だった。残念なのは(当時野党だった)民進党が運動を利用して政治的利益を得ながら、政権が中国と行う交渉を監視する『両岸協議監督条例』の制定という約束をほごにしたことだ」

「ヒマワリ学生運動と今回の運動は本質が全く異なる。ヒマワリ運動では、野党の民進党が(与党の国民党を)監督する力が足りなかったので、学生や公民が自主的に前面に出た。今回は執政党の民進党が、民衆を動員して改革に抵抗している」(聞き手 西見由章)

黄国昌(こう こくしょう)

台湾大卒、米コーネル大法学院で博士号取得。2014年、中国とのサービス貿易協定に反対し立法院を占拠したヒマワリ学生運動に参加。15年、同運動の参加者らで結成した政党「時代力量」の初代主席に就任。23年11月、時代力量を離党し、台湾民衆党に加入した。

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