台湾の前副首相を汚職で逮捕 対中窓口機関トップ、頼政権に影響も
産経ニュース / 2024年7月6日 18時16分
【台北=西見由章】台湾の桃園地方検察署(地検に相当)は6日、前行政院副院長(副首相)で台湾の対中交渉窓口機関「海峡交流基金会」トップの鄭文燦(てい・ぶんさん)氏を収賄などの容疑で逮捕したと発表した。裁判所は保釈を認める決定を行った。
鄭氏は将来の総統候補として名前が挙がる与党・民主進歩党の大物政治家で、頼清徳政権を揺さぶる事件に発展する可能性がある。鄭氏は6月に海峡交流基金会理事長に就任したばかりで、頼政権の対中政策に混乱を招く恐れもある。
鄭氏は弁護士を通じて「不法行為はない。早く真相が明らかになり潔白が証明されることを望む」との声明を出した。
鄭氏は2014年~22年に桃園市長、23年1月から24年5月まで蔡英文前政権で行政院副院長を務めた。台湾メディアによると、桃園市の土地利用計画をめぐって賄賂を受け取った疑いがあるという。
頼総統は6日、「党派や人物を問わず、不法行為の疑いがあれば捜査を受けなければならない」と記者団に語った。鄭氏と頼氏は民進党内で同じ「新潮流派」に属するが、ライバル的な関係との見方もある。
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