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中国統制経済へ警戒根強く 景気指標に強弱、対策「小出し」で展望描けず 夏季ダボス開幕

産経ニュース / 2024年6月25日 22時53分

【北京=三塚聖平】中国の李強首相は25日の演説で、中国経済について「今年に入って回復傾向を保っている」と強調した。好調な輸出や政府の景気対策を背景に製造業が堅調に推移する一方、不動産不況は依然、底が見えない。強弱入り交じった景気指標を踏まえ、中国政府は民間の投資意欲を刺激しようとしているが、国内外の企業に対する統制を緩めておらず中国式「統制経済」への警戒は根強い。

国際通貨基金(IMF)は5月末、中国経済の2024年の国内総生産(GDP)成長率を前年比5・0%と予測し、4月の見通しから0・4ポイント上方修正。堅調な製造業などが牽引し24年1~3月期のGDPが前年同期比5・3%増となったことを反映した。

中国国家統計局が今月17日発表した5月の主要統計では、工業生産が電気自動車(EV)などからなる新エネルギー車の伸びがあり前年同月比5・6%増だった。投資動向を示す固定資産投資も1~5月の累計で前年同期比4・0%増で、インフラ投資は5・7%増と伸びた。昨年秋に1兆元(約22兆円)の国債の追加発行を決め、効果が出てきているもようだ。

だが不動産不況は終わりが見えない。当局は5月、各地で在庫となっている住宅を地方政府に買い取らせる方針や、住宅ローン金利の下限撤廃などを相次ぎ表明したが、不動産開発投資は1~5月に10・1%減で、1~4月の9・8%減からマイナス幅が拡大した。

在中国日本人エコノミストは「中国当局の不動産対策は小出しに映っており、なかなか市場のマインドを改善させることができていない」と指摘する。一時のデフレ懸念は後退したものの、国内需要は低迷したままで物価が上がりにくい状況が続いている。

民営企業への統制強化も景気の足を引っ張る。中国インターネット通販最大手アリババ集団の株価は当局の統制が始まった20年のピーク時から約4分の1の水準にまで下がった。外資企業も昨年7月施行の改正反スパイ法などで対中投資意欲を減退させている。

中国共産党は7月に第20期中央委員会第3回総会(3中総会)を開くことを決めている。中長期の経済方針を討議する重要会議だが、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「大きな改革への期待は低い」という見方を示している。

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