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中国の過剰生産問題「報復」の不安隠せない国も G7内で温度差

産経ニュース / 2024年6月14日 18時30分

【ファサーノ(イタリア南部)=板東和正】中国の過剰生産問題を巡っては、国際的な市場競争をゆがめていると日米欧が警戒を強めている。米国や欧州連合(EU)は中国製電気自動車(EV)に追加関税を課す方針を表明するなど、強硬な姿勢を打ち出した。一方で中国と経済的な関係の深いドイツは中国による報復への不安を隠せず、先進7カ国(G7)内で温度差が生じている。

G7は5月下旬に開催した財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で中国を名指しし、市場ルールにそぐわない政策や貿易慣行は「われわれの労働者、産業、経済的強靱(きょうじん)性を損なう」と懸念を表明した。過剰生産への危機感は高まっており、今月15日までのG7サミットで採択される首脳声明では、より強い言葉で中国を批判する可能性がある。

EU欧州委員会はサミット開幕前日の12日、中国のEVメーカーは「不当な補助金を受け取っている」と暫定的に判断したと表明。中国との協議が不調に終われば、7月4日から中国製EVに最大38・1%の追加関税を課すとした。

バイデン米政権も5月、中国製EVや半導体、太陽光発電の関連品、鉄鋼などに対する関税を2~4倍に引き上げると発表した。

ただ、米国やEUが過剰生産問題に強気の姿勢を示す一方で、欧州では「中国との本格的な貿易戦争を避けたい」(EU外交官)思惑もある。特に、中国が最大の貿易相手国であるドイツは、中国側が報復としてEU加盟国の製品の関税を引き上げることを恐れている。

事実、中国商務省は追加関税に関するEUの12日の発表を受け、対抗措置を示唆した。

ドイツ自動車工業会のミュラー会長は12日、「貿易戦争のリスクを高め、欧州の自動車セクターの競争力強化にはつながらない」とEUの追加関税を非難した。ドイツは自動車産業の対中依存が強く、独フォルクスワーゲンは中国市場の販売が全体の半数近くを占めるとされる。

ウィッシング独運輸相も12日、「貿易戦争や市場の分断ではなく、EU域内の競争拡大や市場の開放を通じて自動車は適正な価格になるべきだ」と指摘。追加関税に異議を唱えた。

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