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香港民主派45人に量刑言い渡し 国安法違反最大の裁判 「主犯格」戴氏に禁錮10年

産経ニュース / 2024年11月19日 21時24分

香港の裁判所は19日、立法会(議会)選の候補者を調整する目的で2020年7月に実施された民主派の予備選に絡み、香港国家安全維持法(国安法)の国家政権転覆共謀罪(最高刑・終身刑)で起訴され、有罪判決を受けた民主派14人と罪を認めていた同31人の全員に、禁錮4年2月~10年の実刑を言い渡した。

中国の習近平政権が20年6月に導入した国安法の違反事件のうち最大規模の裁判で、香港内外の関心を集めていた。

法廷で争った者に厳しい判決

予備選を企画・組織・運営し、検察当局に「首謀者」と糾弾されていた元香港大准教授の戴耀廷氏(60)には禁錮10年の重刑が言い渡された。戴氏とともに予備選の組織・運営に当たった元立法会議員、区諾軒氏(37)は禁錮6年9月。区氏は東京大の博士課程在学中に逮捕・起訴された。戴・区両氏は刑の減軽などのため罪を認め、起訴事実について争わなかった。

予備選に出馬した民主活動家のうち、14年の香港民主化運動「雨傘運動」のリーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(28)も罪を認めたことで刑が減軽され、禁錮4年8月だった。

一方、罪を認めず法廷で争った民主活動家には厳しい判決が下された。元女性記者で情状酌量を求めなかった何桂藍氏(34)に禁錮7年、元女性看護師の余慧明氏(37)には禁錮6年9月が言い渡された。

国際人権団体から反発の声

香港当局は21年2月、立法会選で過半数の議席を獲得して予算案を否決し、政府トップの行政長官を辞職に追い込む政権転覆を共謀したとして民主派47人を起訴。裁判所は今年5月、罪を認めなかった16人のうち14人に有罪、2人に無罪判決を下していた。

民主派の目標は、議会闘争を通じて普通選挙を実現させることだった。民主派は立法会選の候補者を絞り込むため、20年7月に予備選を実施し、約61万人が投票した。

民主国家では正当な政治活動が有罪と認定されたことに対し、国際人権団体などから反発の声が上がっていた。

中国外務省の林剣報道官は19日の記者会見で、量刑言い渡しに関し、「香港は法治社会であり、いかなる者も民主という看板を掲げて違法活動に従事し、法的制裁を免れようと企てることはできない」と述べ、正当化した。(藤本欣也)

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