プーチン大統領、トランプ氏とウクライナ情勢協議に意欲 北朝鮮との軍事演習排除せず
産経ニュース / 2024年11月8日 8時20分
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領は7日、米大統領選で勝利したトランプ前大統領からウクライナ紛争の終結に向けた計画を聞く用意があるとし、協議に意欲を示した。トランプ氏の勝利も祝福した。露南部ソチで国内外のロシア専門家らを集めて開いた国際会議「バルダイ」の全体会合で発言した。
プーチン氏はトランプ氏と話し合う用意があるかと尋ねた司会者に「ある」と返答。「ウクライナ紛争を終わらせられる」とするトランプ氏の発言について「関心を払うに値する」と述べた。
ウクライナ紛争終結に向けたトランプ氏の計画の詳細は不明。ただ、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は6日、トランプ氏に近い消息筋3人の話として、ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟を20年間凍結する▽米国はロシアの再侵略を防ぐために大量の兵器をウクライナに供給する▽現在の前線を停戦ラインとして非武装地帯を設ける-案が出ていると報じた。
だが、この案は、停戦条件に露軍の撤退を掲げるウクライナと、ウクライナのNATO非加盟や「非軍事化」を求めるロシアの立場に合致しておらず、仮にトランプ氏が提示しても両国が受け入れる保証はない。
プーチン氏は日露関係にも言及した。ウクライナ侵略に伴い日本が対露制裁を発動したことについて「ロシアは日本に害を与えていない。(制裁は)驚きだ」と発言。日本が対露関係を改善する意欲を示せば、ロシアは拒否しないとも述べた。
プーチン氏は、ロシアが北朝鮮と事実上の軍事同盟条約を結んだことに関し、旧ソ連時代の両国関係に戻っただけだと説明。合同軍事演習を行う可能性を排除しなかった。また、台湾情勢を巡る緊張の責任は中国ではなくNATO側にあるとし、米国は中露封じ込めではなく米中露の協力を模索すべきだとした。(小野田雄一)
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