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ベラルーシ大統領選、現職ルカシェンコ氏が7選 強権統治・対露軍事協力加速か

産経ニュース / 2025年1月27日 10時36分

ロシアと軍事同盟を結ぶ旧ソ連構成国ベラルーシで26日、大統領選(任期5年)が行われた。同国中央選管は27日、同国で30年以上にわたって強権統治を敷き、「欧州最後の独裁者」と呼ばれる現職のルカシェンコ大統領(70)が86・82%の得票率で7選を果たしたとする暫定開票結果を発表した。投票率は85・7%だったとしている。国営ベルタ通信が伝えた。

ルカシェンコ氏は今回選で「圧勝」したことで、国内の反体制派が既に政治的脅威でなくなったとみて、強権統治をさらに加速させる可能性がある。また、今回選を競争のない「偽りの選挙」などと批判してきた欧米諸国とのさらなる関係悪化が見込まれる中、ルカシェンコ氏が核兵器配備を含むロシアとの軍事協力を強化し、欧米への対抗姿勢を強める公算も大きい。

経済低迷や強権統治への不満から政権打倒機運が高揚した中で行われた2020年の前回選では、ルカシェンコの「圧勝」が発表された直後から開票不正を疑う国民の大規模な抗議デモが起きた。デモには計数十万人が参加したとされる。しかし今回は、前回選と同じくルカシェンコ氏の「圧勝」が発表されたにもかかわらず、国内でデモの動きは伝えられていない。

デモが抑止された背景には、前回選の後に政権側が弾圧を推し進めて反体制派を壊滅させたことや、前回選を巡るデモで多数の参加者を拘束・投獄した政権側への国民の恐怖心、「デモが起きれば警察や軍を投入する」とした政権側の警告などがあるとみられる。

ルカシェンコ氏は長年、ロシアと欧米圏の中間に位置するベラルーシの地政学的特性を利用し、ロシアと欧米の双方から利益を引き出そうとする外交政策を続けていた。しかし、前回選を巡るデモを武力鎮圧したことで欧米との関係を悪化させ、対露依存を深めた。22年2月のロシアによるウクライナ侵略では露軍に進軍拠点を提供し、欧米側との対立を決定的とした。

ルカシェンコ氏は23年、プーチン露大統領との合意に基づき、ロシアの核兵器をベラルーシに配備。最近はロシアの新型中距離弾道ミサイル「オレシニク」の配備も求めている。

内政面でも強権化と欧米側への敵視を深めており、ベラルーシで昨年、「スパイ容疑」などで日本人2人が拘束されたこともそうした風潮の強まりを示した。(小野田雄一)

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