仏大統領、ウクライナへ軍要員の派遣を表明 複数国で兵士らを訓練へ戦闘機の供与も発表
産経ニュース / 2024年6月8日 8時35分
【パリ=黒瀬悦成】ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は7日、訪問先の仏パリでバイデン米大統領、マクロン仏大統領と相次ぎ会談した。マクロン氏は会談後の共同記者会見で、フランスを含む複数国がウクライナ兵士の訓練のため同国に軍要員を派遣すると発表した。支援国が軍の要員を直接派遣するのは初めてとなる。
マクロン氏によれば、訓練要員の派遣はウクライナからの要請を受けたもので、「今後数万人の新兵を訓練する必要がある」と指摘。要員の派遣に関しては「既に複数の国が了承済みだ」とし、「近日中に多国間の枠組みを最終調整する」と述べた。
ロシアの反発に関しては「前線に兵士を送るわけではない。対立激化にはつながらない」と強調した。
ゼレンスキー氏は「取り組みを支持する」と歓迎の意を述べた。
マクロン氏は2月にパリで開かれたウクライナ支援会議の後、ウクライナへの派兵の可能性に初めて言及した。当時は米欧諸国の大半が否定的だったが、ウクライナの戦況悪化により一部の国で軍要員派遣の機運が改めて高まっていた。
マクロン氏はまた、ウクライナへの新たな軍事支援として仏製戦闘機ミラージュ2000を供与する方針を表明した。
戦闘機に加え、仏軍が今年夏から仏国内でウクライナ人のパイロットに同機の操縦訓練を施す。訓練は年内に完了する見通し。
ゼレンスキー氏はマクロン氏との会談に先立ち仏下院で演説し、自身が6日に仏北部で開かれたノルマンディー上陸作戦80年の記念式典に招かれたことを踏まえ「80年を経て欧州はもはや平和の大陸ではなくなった」と指摘し、ウクライナ戦争でロシアに勝利することの重要性を強調した。
一方、バイデン氏はゼレンスキー氏との会談で、米議会の党派対立が原因でウクライナへ支援が長らく停滞したことを謝罪した上で2億2500万ドル(約350億円)の追加軍事支援を表明した。
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