英で欧州政治共同体首脳会議 スターマー英首相、安保などテコに「欧州回帰」打ち出す
産経ニュース / 2024年7月18日 20時1分
【ウッドストック(英南部)=黒瀬悦成】欧州連合(EU)加盟国と英国など近隣諸国40カ国以上で構成される協力促進の枠組み「欧州政治共同体」(EPC)首脳会議が18日、英南部オックスフォードシャー州ウッドストックのブレナム宮殿で開かれた。今月5日に就任したスターマー英首相は会議の冒頭に演説し、欧州の安全保障やウクライナ支援などを通じてEUや他の欧州諸国との連携を一層深める方針を示し、英国の「欧州回帰」を強く打ち出した。
欧州政治共同体はロシアによるウクライナ侵略を受けて2022年に設立された。首脳会議は今回で4回目。昨年10月にスペインで開かれた前回会議に続いてウクライナのゼレンスキー大統領が出席し、欧州に支援の継続を呼びかけた。
スターマー氏は演説で「欧州の全ての国々との関係をリセットし、共通の利益を見出したい」と述べた上で、ウクライナ情勢の行方が欧州の自由や民主主義、法の支配に重大な影響を及ぼすと指摘。会議では「ウクライナへの堅固な支持を確認する」とした。
スターマー氏は同時に、英国が北大西洋条約機構(NATO)に引き続き強力に関与するとし、欧州の集団防衛を牽引(けんいん)していく立場を鮮明にした。
一方、スターマー氏に続いて発言したゼレンスキー氏は、欧州諸国がウクライナのEUとNATOへの加盟に支持を表明したことを「感謝する」と語った。
スターマー氏は9~11日に米ワシントンで開かれたNATO首脳会議で国際外交のデビューを果たしたが、首相として広く欧州諸国の首脳らと直接会うのは今回の会議が初めてだ。
同氏は今回の会議について、英国の欧州離脱「ブレグジット」を促進した保守党の前政権下で冷却化した欧州との関係の修復を図る好機と位置づける。マクロン仏大統領ら欧州首脳との個別会談の場も設け、2国間関係の強化も図る。
フランスと並ぶ欧州の核保有国である英国との安全保障協力の深化は、EUとしても優先的に進めたい政策分野の一つだ。欧州諸国の間では11月の米大統領選で仮にNATO懐疑派のトランプ前大統領が返り咲いた場合、「欧州から米国の核の傘が消え去りかねない」との懸念も根強い。
スターマー氏はこうした声を背景に従来の労働党の核軍縮路線を転換し、「核抑止力の確保」を国防戦略の軸に据える方針だ。
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