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「連帯いつまで」 ゼレンスキー氏がG7サミットでみせた切迫感 問われる国際社会の決意

産経ニュース / 2024年6月14日 17時14分

【ファサーノ(イタリア南部)=黒瀬悦成】今年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の「主役」はウクライナのゼレンスキー大統領だった。昨年5月の広島サミットに続き、2年連続で対面出席し、ロシアの侵略を撃退するための支援強化を要請した。だが、ウクライナでの戦況が昨年に比べてロシア有利に傾斜する中、同氏の訴えはこれまで以上の切迫感に満ちた。

「ウクライナと国際法、公正に基づく平和への明確な支援だ。全てのパートナー国に感謝する」。ゼレンスキー氏は13日のサミットでのウクライナ関連の討議に出席後、X(旧ツイッター)でG7に謝意を表明した。

「重要な決断が下されることを期待する」と述べてサミットに臨んだゼレンスキー氏が得られた最大の成果は、露中央銀行の凍結資産をウクライナ支援に活用する合意だ。500億ドル(約7兆8千億円)規模のウクライナ支援の新たな枠組みを創設するもので、米国の主導で融資した資金を年内にウクライナに提供し、融資の返済には露凍結資産の運用益を充当する。

加えてゼレンスキー氏がG7に訴えたのが、戦局打開の必須条件とされる制空権の奪回に向けた、F16など戦闘機の早期供与とパイロット養成の支援だ。

露軍のミサイルや無人機による攻撃に対抗するための米国製地対空ミサイルシステム「パトリオット」のほか、露領内への越境攻撃を念頭に置いた長距離攻撃兵器の供与拡大も要求。バイデン米大統領からパトリオット5基の近日中の追加供与を引き出したと明かした。

ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟が実現するまでの「つなぎ措置」として、これまで英国など15カ国がウクライナとそれぞれ結んでいる2国間の安全保障協定に関しても、米国と日本が新たに締結。ゼレンスキー氏はサミットで「これで全てのG7参加国と安保協定を結んだ。感謝します」と表明した。

一方でゼレンスキー氏はバイデン米大統領との共同記者会見で「(ウクライナ支援に向けた)世界の連帯がどれだけ長く続くだろうか」と提起し、米国や国際社会の一部で支援に懐疑的な声が広がりつつあることへの焦りを強くにじませた。

「ウクライナが(ロシアの侵略に)耐えることができなければ、他の多くの国の民主主義体制も持ちこたえることはできない」

ゼレンスキー氏のこうした訴えはG7にどこまで届いたのか。ロシアが大規模攻勢の構えを強める中、ウクライナを支える国際社会の決意が真に試されようとしている。

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