永世中立と対露制裁「矛盾しない」 来日中のスイス大統領、「和平サミット」再開催に意欲
産経ニュース / 2024年8月7日 21時10分
4日から来日しているスイスのアムヘルト大統領(62)が7日、東京都港区の在日スイス大使館で記者会見した。6月にスイスで開かれたウクライナ和平案を協議する「世界平和サミット」にロシアが欠席したことに関し、「和平には双方の当事者が交渉の場に出るのがマストだ」と語り、2回目のサミット開催に意欲を示した。
アムヘルト氏はサミット参加について露側と協議したが、「ロシアはサミット参加の意向はないとはっきりと明言した」と内幕を紹介。ウクライナとロシア双方が顔を合わせての交渉は「今は難しい」とした。サミットは「小さなステップになった」と評価し、2回目の開催に向けて和平プロセスを前進させる考えを示した。
ウクライナへの武器支援については、「スイスは永世中立国。法律で紛争当事国への直接供与はできない」とする一方、スイス製の銃器や弾薬を保有するドイツなどがウクライナに再輸出できるよう法改正が議論されていると説明した。
スイスは2022年2月にウクライナ侵略が始まった直後、中立国として異例となる対露経済制裁に踏み切った。「長年の伝統を破った」との批判も上がったが、アムヘルト氏は「制裁は中立とは矛盾しない。誰が攻撃し、誰が攻撃されているのかは明確だ」と述べ、制裁の正当性を訴えた。
アムヘルト氏は、日本とスイスが国交を樹立して今年で160年の節目となるのに合わせて4日に来日。7日に岸田文雄首相と会談し、二国間の経済交流強化やウクライナの和平など国際情勢を協議した。スイスは日本とともに国連安全保障理事会の非常任理事国で、安保理改革を含む国連の機能強化も意見交換した。
8日には天皇陛下と面会し、帰国する予定。(桑村朋)
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