逆風の英公的医療 1回の診察に5時間半 かつての「模範的制度」どこへ ロンドンの甃
産経ニュース / 2024年6月26日 7時0分
夏風邪をこじらせて体調がすぐれず、近所の大学病院に駆け込むことにした。そこで目にしたのは、英国の公的医療制度が機能不全の瀬戸際に追い込まれているという現状だった。
「国民保健サービス」(NHS)と呼ばれる公的医療制度は、国に保険料を支払っている16歳以上の居住者であれば、外国人も含めて加入対象となり、原則として無料で医師の診察を受けることができる。
かつては日本でも「模範的制度」として紹介されたNHSだが、近年の緊縮財政で関連予算が削減されて医師や看護師の人手不足が深刻化。病院の待合室には多数の患者がごった返し、診察や手術を受けようにも予約がなかなか取れず、数週間~数カ月も待機を強いられるのが常態だ。
筆者の場合、救急患者扱いですぐに案内されたのだが、問診まで2時間、それから血液検査、胸部レントゲンなどを経て病状を特定し、薬をもらうまでに計5時間半を要した。
筆者のように1回の訪問で済むのであればいいが、繰り返しの通院が必要な患者には多大な労苦だ。進行性の病気であれば手遅れになる恐れすらある。
来月に実施される英総選挙ではNHSの再生も重要争点となっている。ロンドンに住む一人の生活者として各政党の主張を注視していきたい。
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