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テレグラムCEOの仏逮捕 ネット犯罪共謀容疑にIT業界反発 X保有のマスク氏も

産経ニュース / 2024年8月28日 10時31分

テレグラムのパベル・ドゥーロフCEO(AP)

通信アプリ「テレグラム」のパベル・ドゥーロフ最高経営責任者(CEO)が24日、フランスの空港で身柄拘束された。仏検察は児童ポルノや麻薬取引、詐欺への共謀容疑だと発表。テレグラム側はネット規制の行き過ぎだと反発し、米実業家イーロン・マスク氏らが同調している。

テレグラムは逮捕を受けて声明で、「プラットフォーム乱用の責任は、オーナーにあると主張するのはバカげている」と仏当局を批判。同社は欧州連合(EU)の規制を遵守していると強調した。

ドゥーロフ氏は39歳でロシア生まれ。仏国籍を持っており、保有資産は推計約155億ドル(約2兆2300億円)というカリスマ経営者だ。2013年に設立したテレグラムは高度な暗号機能が特徴で、送受信者やメッセージの秘匿性が高い。利用者はロシアやウクライナなど旧ソ連圏を中心に、世界で約10億人とされる。

仏検察は26日の発表で、ドゥーロフ氏に対する容疑12件を列挙した。違法コンテンツの保有や流布への共謀、マネーロンダリング(資金洗浄)のほか、当局への情報提供を拒否した疑いが盛り込まれた。

ロシアではウクライナ侵略のさなかの逮捕劇に「陰謀説」が飛び交い、マクロン仏大統領はX(旧ツイッター)で「これは独立した司法判断。政治的逮捕ではない」と打ち消しに懸命になった。マスク氏は、自身が保有するXで「パベル解放を」と発信。EUで進むネット規制強化に対し、「表現の自由」を掲げて抗議する姿勢を示した。

EUは今年2月、デジタルサービス法(DSA)を全面施行し、プラットフォーム事業者に違法コンテンツの除去、当局への通報を義務付けた。フランスはEUの中でも特に、ネット規制が厳しい。逮捕という強硬措置に出たことで、IT業界では反発が広がっている。

仏紙ルモンドは27日付社説で、テレグラムはロシアなど強権国家で監視から市民の発言を守ってきたと指摘。一方で、EUはDSAで主に米国のIT大手に歯止めをかけようとしているさなかだとして、今回の事件では「欧州が試されている」と論じた。

フランスの勾留期間は原則24時間だが、ドゥーロフ氏に対して司法当局は28日までの延長を決めた。児童ポルノ流布で有罪になれば、禁錮刑が課される可能性がある。(三井美奈)

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