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英新首相になるスターマー氏「面白みない」? 人権派弁護士で頭角 脱左派で党立て直し

産経ニュース / 2024年7月5日 18時30分

【ロンドン=黒瀬悦成】英国の新首相に就任する労働党のスターマー党首は、派手なパフォーマンスを好まない実直な性格などから、実像は国民の間でも詳しくは知られていない。ときに「面白みがない」と評されるスターマー氏の「素顔」に迫った。

公約放棄で党勢回復

スターマー氏が労働党を政権に返り咲かせることができた最大の決め手は、コービン前党首(在任2015年9月~20年4月)下の急激な党の左傾化で離反した支持者の回復のため、中道路線への回帰を進めたことだ。

契機となったのは21年5月のイングランド中部ハトリプールでの下院補選での敗北。イングランド北部と中部は労働党の強固な地盤で、党のシンボルカラーにちなみ「赤い壁」と呼ばれる。19年12月の前回総選挙での惨敗に続く補選での敗退で、支持基盤を保守党に奪われていることが明白となった。

スターマー氏は大学授業料の無償化やエネルギー・水道関連企業の国有化など従来の党公約を放棄。党内左派から「裏切り者」と呼ばれたが、労働党は党勢を回復し、21年10月以降、世論調査の支持率で保守党を常に上回るようになった。

庶民派もユーモア欠く

ロンドン出身。工具職人の父親と看護師の母親の下に生まれ、リーズ大、オックスフォード大大学院を経て人権法を専門とする弁護士となった。08年に検事総長に就任し、議会の不正経理問題の追及などで実績を上げた後、15年に下院議員に当選。決して裕福でなかった家庭環境と、法律家としての社会正義の追求が政治家を志す原点となった。

党内ではコービン党首下で「影の欧州連合(EU)離脱担当相」などを務めた。19年総選挙の大敗でコービン氏が辞任。20年4月の党首選を経て労働党党首に就任した。

サッカーが趣味で、イングランド・プレミアリーグのアーセナルの熱心なファン。「庶民派」である一方、言動が生真面目でユーモアに欠け、弁護士や検事としての切れ者のイメージが先に立ち、有権者からは「とっつきにくい」「ロボットのようだ」などの評判も付きまとう。

手本として意識する政治家は、自由主義経済路線を掲げて絶大な支持を集めた労働党のブレア元首相(在任1997~2007年)だ。ブレア氏にならい、国民の最大関心事である経済を成長軌道に乗せられるか、その手腕が問われる。

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