停戦交渉見据え、ロシア・クルスク州で激戦 ウクライナの越境攻撃から半年
産経ニュース / 2025年2月7日 19時42分
ロシアの侵略を受けるウクライナによる露西部クルスク州への越境攻撃は開始から半年が経過した。早期休戦を掲げるトランプ米政権が近く双方への仲介作業を本格化させると見込まれる中、ウクライナは将来的な停戦交渉でロシアに譲歩を迫る「カード」を確保するためにも占領地域を維持する構えだ。一方、ロシアは同州を完全奪還し、ウクライナを抗戦断念に追い込もうとしている。
ウクライナ軍は越境攻撃から半年となった6日、これまでの成果を発表。露軍の3万9900人に損害を与え、うち約1万6100人を戦死させたとした。
また、ロシアが同州に投入した北朝鮮兵1万2000人のうち約4000人を死傷させ、残りも戦闘能力を喪失させたとし、「北朝鮮兵部隊は現在、前線から撤退した」と報告した。その上で「今後も露国内で数百平方キロの『緩衝地帯』を保持していく」とし、占領地域を維持する方針を示した。
越境攻撃を巡っては、ウクライナ軍が貴重な精鋭部隊を投入した結果、主戦場である東部ドネツク州で防衛線の弱体化を招いたとする否定的な評価も出ている。ただ、ウクライナのゼレンスキー大統領は5日、越境攻撃を「非常に重要な作戦だった」と強調。露軍の兵力6万人をクルスク州に割かせて戦力分散に追い込んだ上、将来的な停戦交渉でロシアがクルスク州の状況を考慮せざるを得なくなるとの見通しを示した。
一方、プーチン露大統領は5日、露軍がクルスク州で「巧緻かつ大胆に戦っている」と主張。露国防省は6日、クルスク州でこれまでにウクライナ軍に5万7860人の損害を与えたと主張した。露国防省は先月中旬、「ウクライナ軍に当初占領された1268平方キロの領土のうち801平方キロを奪還した」と発表し、反撃の進展を強調した。
米シンクタンク「戦争研究所」によると、露軍は現在、ウクライナ軍が駐屯司令部を設置している小都市スジャに徐々に接近している。今後も将来的な停戦交渉を見据えた両国軍の激しい戦いが続く見通しだ。
ウクライナ軍は昨年8月6日、クルスク州への電撃的な越境攻撃に着手。同国軍のシルスキー総司令官は同月末までに州内の1300平方キロと100集落を占領したと発表した。
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