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東方経済フォーラム参加のロシア、経済制裁「克服」誇示も…対中貿易・軍需生産に影

産経ニュース / 2024年9月3日 19時47分

ロシアのプーチン政権は極東ウラジオストクで3日に開幕した「東方経済フォーラム」で、ウクライナ侵略に伴って科された経済制裁を「克服」したと誇示する見通しだ。露経済は軍需生産の拡大に牽引(けんいん)され、中国との貿易に支えられて外形的に好調を維持してきた。しかし、ここにきて中国との決済が滞り、軍需生産も来年後半に頭打ちとなる可能性が指摘されるなど、先行きには不透明感が漂っている。

露GDPは回復基調に

国際通貨基金(IMF)によると、ロシアの国内総生産(GDP)はウクライナに全面侵攻した2022年に前年比1・2%減となったが、23年は3・6%増に回復。24年も3・2%増と予測されている。

露経済を主に支えているのは中国だ。中国はロシアから石油や天然ガスなどの輸入を増やす一方、ロシアに自動車や工作機械、半導体、電子部品などを供給。23年の中露貿易額は前年から約26%増え、過去最高の2401億ドル(約35兆円)を記録した。

日本の社団法人「ロシアNIS貿易会」によると、露輸出に中国が占める割合は22年に約17%だったが23年に約30%へと増加。露輸入に中国が占める割合も22年の約34%から約39%に増えた。

中国の金融機関、「及び腰」か

ただ、対中貿易はここにきて停滞している。米国が昨年12月、ロシアの制裁逃れに関与した第三国の金融機関も制裁対象とする「二次制裁」を発動し、中国の大手銀行には対露取引を控える動きが広がったためだ。

中国シンクタンクによると、今年3月末の時点で中露間決済の80%が停止した。ロシアは早期解決を訴えているが、制裁対象となることを恐れる中国の金融機関は及び腰だと伝えられている。

今年、ロシアの国防支出はGDPの6%まで増加しており、実際はさらに多いとみられている。国内経済は軍需に牽引されて堅調で、失業率は過去最低の2%台となっている。

しかし、軍需生産を巡っては英エコノミスト誌が7月、戦車や歩兵戦闘車の供給が来年後半までに需要に追い付かなくなるとの見方を報じた。ウクライナ侵略での物的損失が甚大で、電子部品などの調達にも支障が出ているためだという。

インフレを抑えようと、露中銀は7月に政策金利を16%から18%に引き上げた。軍需生産の拡大が経済を逼迫(ひっぱく)させ、民生分野の発展を妨げる構図も鮮明になりつつある。(小野田雄一)

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