インドのモディ首相がウクライナ訪問、ゼレンスキー氏と会談へ ロシア寄り姿勢に警戒感も

【キーウ＝黒瀬悦成】インドのモディ首相は23日、ロシアに侵略されたウクライナの首都キーウ（キエフ）を訪問した。ゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナの戦況などについて話し合う。インド首相によるウクライナ訪問は、両国が1992年に外交関係を結んで以来初めて。

モディ氏はウクライナ訪問に先立ち、隣国ポーランドのワルシャワでトゥスク首相と会談した。モディ氏は会談後の記者会見で「戦場では何も解決しない」と述べ、対話による事態の収拾を訴えた。ゼレンスキー氏に対しても同様のメッセージを伝える見通しだ。

モディ氏は今年6月にイタリアで開かれた先進7カ国首脳会議（G7サミット）の場でゼレンスキー氏と会談したが、直後にスイスで開かれた、ウクライナが提唱する和平案の実現に向けた「世界平和サミット」への参加を見送った。

モディ氏は3月に実施されたロシア大統領選に関し、主要国が「公正性に疑問がある」として批判する中、当選したプーチン露大統領に祝意を伝えるなど、ロシアへの接近姿勢が際立つ。このためウクライナ国内ではモディ氏の「対話要請」に警戒感を示す声も出ている。