1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 欧米

露とEUがメディア分野で応酬 サイト遮断、特派員追放…EUは情報工作阻止に躍起

産経ニュース / 2024年8月13日 10時0分

欧州連合(EU)が域内での情報発信を禁止した露親政権紙イズベスチヤ(手前)と国営ロシア新聞(小野田雄一撮影)

ウクライナ侵略戦争を巡って対立するロシアと欧州連合(EU)が、メディアの分野でも応酬を繰り広げている。ロシアとEUは最近、双方のメディアに対する新たな制裁措置を発動。特派員の追放合戦も起きている。EUは、メディアを通したロシアの情報工作を排除しようと躍起だ。これに対してロシアは、国家プロパガンダ(政治宣伝)の一翼を担う自国メディアを守ろうとしており、争いは止みそうにない。

EUは5月、ウクライナ侵略を正当化する露政権のプロパガンダに携わったとして、親政権紙イズベスチヤなど4つの露系メディアについてEU内での情報発信を禁止する措置を発表。EU内から各露メディアのウェブサイトへの接続が遮断されたと伝えられている。

ロシアは報復として6月下旬、EU諸国のテレビや新聞、雑誌など計81メディアに関し、露国内からの接続を規制すると発表。これらのメディアが「特別軍事作戦(ウクライナ侵略の露側呼称)に関する虚偽の情報を広めている」と主張した。

一方、米国に本部を置く国際組織「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)によると、EU加盟国オーストリアは4月、「治安当局の見解」に基づく措置として露国営タス通信の特派員2人の記者認証を取り消し、国外退去などを命じた。

CPJによると、オーストリアでは3月、タス通信特派員の肩書を隠れみのにした露情報機関員が、政治家らを監視しているとの情報が出ていたという。

ロシアはオーストリアの決定に反発。報復として6月、オーストリア公共放送のロシア特派員2人の記者認証を取り消し、国外退去とした。

ロシアはEUやオーストリアに対し、「決定を取り消せばロシアも再考する用意がある」と表明。EU側を揺さぶり、自国のプロパガンダや情報工作の一翼を担う露メディアへの規制を躊躇(ちゅうちょ)させる思惑だとみられる。

ロシアは一連の措置に関し、EU側による「露メディアへの迫害」に対応したものだと主張している。だが、ロシアは2022年2月のウクライナ全面侵攻後、欧米メディアへの圧力を一貫して強めてきた。

ロシアは侵攻後、国防省の公式発表を除く戦況報道を禁止し、違反した場合は外国メディアも含めて罰則を科すと警告。今年3月には露国内の反戦活動を取材していたスペイン紙の特派員のビザ(査証)の更新を拒否し、事実上の国外追放とした。CPJによると、ロシアはこのほかにも欧州諸国の複数の記者のビザ更新を拒否したという。

さらにロシアは7月、米国籍を持つ米メディア記者2人に、スパイ罪や露軍の虚偽情報を広めたとする罪で実刑判決を言い渡した。2人は8月の囚人交換で釈放された。(小野田雄一)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください