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旧ソ連圏力士の活躍に願う 戦いは土俵の上だけに 赤の広場で

産経ニュース / 2025年1月30日 7時0分

敢闘賞の金峰山=両国国技館(代表撮影)

長年の相撲ファンの身として、26日に千秋楽を終えた大相撲初場所はいつにも増して楽しいものだった。というのも、筆者が担当する旧ソ連諸国の力士たちの多くが大活躍したからだ。

十両では、ロシアの侵略下にあるウクライナ出身の獅司と安青錦が優勝争いを繰り広げ、獅司が初優勝を決めた。来場所では獅司が幕内復帰、安青錦は新入幕が濃厚だ。幕内でもカザフスタン出身の金峰山が千秋楽前まで単独トップを守った。決定戦の末、惜しくも初優勝を逃したが、最後まで気迫を見せてくれた。けがで途中休場したロシア出身の狼雅の再起にも期待している。

旧ソ連圏出身の元関取はグルジア(ジョージア)出身の黒海や臥牙丸、ロシア出身の阿夢露ら過去にも少なくない。阿夢露は以前、観戦に訪れた両国国技館で白星後に鉢合わせて、ロシア語で「おめでとう」と伝えると、日本語で「ありがとうございます」と返してくれたことを覚えている。

交流サイト(SNS)などで知る限り、旧ソ連圏出身の力士たちは巡業先で一緒に食事するなど仲が良く、ほほえましい。一方、国際政治の舞台では旧ソ連圏は多くの火種を抱え、戦争の悲劇も続いている。戦いがスポーツの中だけで行われる日が来ることを願っている。(小野田雄一)

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