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欧州で親中露のハンガリーやり玉 政治共同体首脳会議で痛烈なオルバン氏批判

産経ニュース / 2024年7月19日 9時18分

【ウッドストック(英南部)=黒瀬悦成】英南部オックスフォードシャー州ウッドストックで18日開かれた、欧州連合(EU)加盟国と近隣諸国の協力枠組み「欧州政治共同体」(EPC)首脳会議は、ロシアに侵略されたウクライナへの支援継続などを確認して閉幕した。一方で会議では、親露派のEU議長国ハンガリーのオルバン首相に対する批判が出るなど、ウクライナをめぐり欧州諸国がハンガリーを孤立させる動きが一気に表面化した。

会議を主催したスターマー英首相は閉幕後の記者会見で「ウクライナの人々は自らの祖国だけでなく、欧州の自由と民主主義のために戦っている」と述べ、ウクライナのゼレンスキー大統領に「ウクライナを最後まで支え続ける」と確約したことを明らかにした。

一方、オルバン氏は18日の会議の直前、記者団に「ウクライナはロシアに軍事的に勝てると思っているが無理だ。解決策は交渉の席にある」と述べ、即時停戦と和平交渉に入るべきだとする持論を展開した。

同氏は自身を「平和の使節」と称し、EU理事会に相談なく独断で和平外交を進め、5日にロシアでプーチン大統領、8日に中国で習近平国家主席とそれぞれ会談した。

これに対しゼレンスキー氏は会議の冒頭、名指しを避けつつオルバン氏の行動を「ウクライナを犠牲にする約束をした」と痛烈に批判。「こんな輩がいなくてもEUや北大西洋条約機構(NATO)は問題に対処できる」と述べ、同氏との対決姿勢を打ち出した。

ウクライナは最近、露石油大手ルクオイルに厳格な制裁を科し、ロシアからウクライナを経由してハンガリーに向かう原油パイプラインの供給を遮断した。ハンガリーは反発しており、ウクライナとの対立先鋭化は不可避な情勢だ。

また、EU欧州議会は17日、オルバン氏の訪露について「共通の外交政策などを定めたEUの条約への明確な違反だ」と非難する決議を採択した。

デンマークも18日、オルバン氏の中露訪問に抗議して、ハンガリーが主催するEU関連の非公式会合に閣僚を派遣しないことを決めた。ロシアの脅威にさらされる北欧スウェーデンとフィンランド、バルト三国と東欧ポーランドも先週、同様の措置を表明した。

次回の首脳会議は11月7日にハンガリーで開催予定だが、EPCは元来、ウクライナを巡る欧州の協力促進を目的とするだけに、ハンガリーが開催中止に踏み切る事態を危惧する声も出始めている。

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