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仏下院選まで1週間 与党連合が苦戦、極右躍進か 移民政策・ウクライナ支援への影響必至

産経ニュース / 2024年6月23日 13時48分

【パリ=板東和正】欧州連合(EU)欧州議会選での大敗を受け、フランスのマクロン大統領が表明した国民議会(下院、定数577)選の第1回投票まで23日で1週間となった。世論調査では極右政党「国民連合(RN)」が首位に立ち、マクロン氏率いる与党連合は3番手にとどまる。下院選でRNが議席を増やせば、同国の移民政策やウクライナ支援に影響を与える可能性がある。

「今こそ責任のある決断を!」。マクロン氏は21日、パリのエリゼ宮(大統領府)の中庭に集まった市民らに支持を求め、RNの躍進を食い止めるよう訴えた。

与党連合は9日に開票された欧州議会選の得票率でRNに約2倍の差をつけられ大敗した。これを受け、マクロン氏は「国民に信を問う」ため国民議会を解散、下院選に踏み切った。下院選は小選挙区制で、30日の第1回投票の際に過半数を得票した候補がいない場合、上位の2候補が7月7日の決選投票に進む。

賭けに出たマクロン氏だが、フランスの保守本流を担う中道右派「共和党」の一部がRNとの選挙協力を表明するなど、下院選でもRNの躍進が続きそうな情勢だ。

21日の仏紙フィガロ(電子版)によると、最新の世論調査の結果、第1回投票での投票先として、RNを選んだ人は35%と首位。環境派などの左派連合(29%)を上回り、与党連合(21・5%)は3位に沈んだ。調査機関は、RNが最大240議席を獲得し第1党になると予測。解散前の議席数が250議席と最大勢力だった与党連合は100議席以上を失うとみている。

RNは公約で電力や燃料の付加価値税引き下げを掲げているほか、移民の制限を主張。仏国内で生まれた、外国人の子供が18歳になると国籍を得られる現行の仕組みを廃止する方針を示す。RNの前党首で党を事実上率いるルペン氏は「大量の移民流入に早急に歯止めをかける」と訴える。

RNは欧州の経済低迷や移民急増に不満を抱く国民の受け皿として支持を拡大。財政難のため年金の受給開始年齢を引き上げたマクロン政権への不信感は高まっている。

RNが議会で主導権を握れば、フランスの政策は変化を迫られそうだ。RNが第1党になった場合、マクロン氏はRNから首相を指名せざるを得ない。首相が内政を担当するため、移民政策や予算などにRNの方針が反映されることになる。

自国の利益を優先するRNはウクライナ支援の積極的な拡大にやや消極的だ。RNの幹部は、ウクライナ軍兵士を訓練するため、同国に軍要員を派遣する考えを7日に発表したマクロン氏の対応に疑問を呈した。

欧州政治の専門家は「下院選はフランスの内政を混乱させ、ウクライナ支援を鈍らせる危険性がある」とみている。

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