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英総選挙まで2週間 反EU・反移民の右派政党が存在感 与党・保守党の支持層浸食

産経ニュース / 2024年6月20日 17時20分

【ロンドン=黒瀬悦成】7月4日投開票の英総選挙で、英国の欧州連合(EU)離脱「ブレグジット」を先導したナイジェル・ファラージ氏(60)率いる右派政党「リフォームUK」が与党・保守党の一部支持層を取り込んで予想外の存在感を示している。同氏自身も当選する公算が大きいとされ、最大野党の労働党に大きなリードを許す保守党には大きな頭痛の種となりつつある。

ファラージ氏は1993年、EU創設を決めたマーストリヒト条約の調印に反発して英国独立党(UKIP)を結党し、欧州懐疑主義運動を展開してきた。99年~2019年、欧州議会選に5期連続で当選。英下院選には7回出馬して全て落選したものの、反EU、反移民のポピュリスト(大衆迎合主義者)として政界に一定の影響力を持つ存在だ。

トランプ前米大統領の友人としても知られるファラージ氏は今月初旬、自身が幹部を務めるリフォームUKの党首に就いて総選挙に出馬すると突如表明した。最大の出馬理由は、今回の総選挙で惨敗が予想される保守党の支持者のうち、同党の伝統的な穏健保守路線を物足りなく感じる層の取り込みが可能と計算したためとみられている。

ファラージ氏は17日、厳格な移民政策と減税を柱とする党の政権公約を発表。今回の選挙での自党の勝ち目は薄いと認めつつ、「伝統的な保守派有権者」を取り込んで保守党を解体に導くと主張した。また、29年に実施される次期総選挙に勝利して「首相になる」と表明した。

調査会社イプソスの世論調査(18日発表)では、ファラージ氏は出馬した南東部エセックス州の選挙区で52%の支持を集め、労働党の対立候補24%を引き離した。

また、調査会社ユーガブによれば「今日が投票日ならリフォームUKに投票する」との回答は、13日時点で19%と保守党18%を上回った。労働党は37%。ユーガブはリフォームUKが5議席を獲得すると予想する。

一方で別のユーガブの調査では、将来の「ファラージ首相」が「偉大な首相になる」との回答は9%にとどまり、「非常に悪い首相になる」は43%に上るなど、同氏が多くの有権者から嫌われている実情も判明した。

政権公約に関しては、一部の例外を除く移民受け入れの凍結や、フランスから小型ボートで来る不法移民を洋上で追い返すと主張。減税では個人と企業の大型減税を掲げつつ財源が明示されておらず、「非現実的」との指摘が出ている。

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