パリ五輪開会式で「最後の晩餐」連想演出、脅迫メール殺到で出演者が提訴を表明
産経ニュース / 2024年7月30日 13時19分
26日に行われたパリ五輪の開会式で、イエス・キリストと使徒たちとの最後の食事の場面を描いたレオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐(ばんさん)」を連想させるパフォーマンスを演じた役者が29日に声明を出した。大量の脅迫やヘイトスピーチ(憎悪表現)の対象になったと抗議し、メール送付者を提訴すると表明した。
この役者は、LGBT権利運動の活動家バルバラ・ブチさん。同性愛者であることを公言し、クラブDJとしても知られる。開会式では、女装したドラァグクイーンに囲まれて冠を頭に載せて食卓に着き、「キリスト役か」とみなされた。
声明はインスタグラムで発表された。開会式後、「殺害や拷問、レイプの脅しを受け、反ユダヤ主義や同性愛嫌悪、性差別の標的にされた」と主張した。提訴の対象は、フランス人か外国人かを問わないとしている。パフォーマンスについて、「フランスの多様性を音楽と芸術で表現したことに誇りを思う」とも記した。
この演出をめぐっては、フランスのカトリック教会が「キリスト教に対する愚弄(ぐろう)と冷笑」があったとして遺憾の意を表明した。イスラム教徒からも批判が出ている。大会組織委員会は28日、「誰かを不快にさせたとしたら、すまなく思う」として謝罪を表明した。
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