BRICS首脳会議が全体会合 ウクライナ・中東情勢協議 「多極世界」誇示へ
産経ニュース / 2024年10月23日 9時38分
ロシアや中国など主要新興国でつくる「BRICS」は23日、露中部カザンで行われている首脳会議の全体会合を開く。ウクライナ情勢や中東情勢を協議するほか、「パートナー国」資格を新設する問題を検討する。議長国ロシアは米ドルの影響力低下や対露制裁の打破を視野に入れ、国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」の代替システムの構築を提案する方針だ。
全体会合ではプーチン露大統領や中国の習近平国家主席、インドのモディ首相らが演説する。プーチン氏は先進7カ国(G7)に対し、人口規模や発展力などでのBRICSの「優位性」を強調し、欧米一極集中でない「多極的な世界秩序」の構築が世界の安定化に不可欠だとする持説を展開する見通しだ。欧米による「敵対的な対露政策」を非難し、ウクライナ侵略を改めて正当化することも想定される。
パートナー国資格の創設について、ウシャコフ露大統領補佐官は20日、候補として「15カ国」が検討されていると明らかにした。ロシアはパートナー国の資格付与を通じてBRICSを実質的に拡大し、欧米への「対抗軸」と位置付けるBRICSを強化する構えだ。
全体会合の終了後、BRICS首脳は共同宣言を採択する。
プーチン氏は22日、習氏と会談。「中露協力は世界の安定化のための重要な要因の一つだ」と主張し、「公正な世界秩序」を確立するために今後も中露の連携を深化させていく意向を表明した。習氏も、中露が「永遠の善隣と友情、全面的な戦略的交流と互恵協力の精神」を堅持しているとし、結束を強調した。
プーチン氏は同日、モディ氏とも会談し、「露印関係は活発に発展している」と指摘した。モディ氏は「世界中の多くの国が現在、BRICSへの加入を望んでいる」と応じた一方で、ウクライナ情勢について「対話と外交が紛争解決を進める方法だ」と改めて強調した。
首脳会議の最終日となる24日には、BRICSと、ゲストとして会議に招待された旧ソ連圏や東南アジア、アフリカ、中東などの30カ国超が参加する会合が開かれる。(小野田雄一)
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