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フランス下院選で躍進予想の極右「国民連合」28歳バルデラ党首 SNS駆使で幅広い支持

産経ニュース / 2024年6月28日 20時10分

フランスの国民議会(下院)選で躍進が予想される極右政党「国民連合(RN)」のジョルダン・バルデラ党首(28)が注目されている。下院選で大勝すれば、新首相の最有力候補となる見通しだからだ。貧困問題に向き合う姿勢に加え、交流サイト(SNS)を駆使した情報発信も奏功し、幅広い層の支持を獲得。人種差別など負の印象も付きまとってきた同党のイメージ刷新に貢献している。

欧米メディアによるとバルデラ氏は16歳でRNの前身である「国民戦線」に入党。RNに党名を変えたルペン前党首の信頼を得て、党の広報担当などを歴任した。2022年にルペン氏の後継者として党首に正式に就任した。

バルデラ氏はパリ北部郊外の労働者階級が暮らす貧困地域で育った。同地域では犯罪も横行していたという。バルデラ氏は「生活苦や暴力に直面してきた」と振り返り、少年時代の経験が「政治への強い信念を抱くきっかけになった」と打ち明ける。

そんな自身の経験から、RNでは国民の生活を向上させるための公約を掲げてきた。電力や燃料の付加価値税引き下げを主張。財政難のため年金の受給開始年齢を引き上げたマクロン仏大統領の判断にも否定的な見方を示す。バルデラ氏のある支持者は「貧困に苦しむ国民を救えるのはバルデラだけ。彼は労働者階級の味方だ」と断言する。

SNSを使った情報発信にたけ、若年層の人気も拡大。中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のフォロワーは約170万人にのぼる。

幅広い支持を集めるバルデラ氏は、RNを「普通の党にするために闘う」と主張してきた。

国民戦線の初代党首を務めたルペン氏の父は反ユダヤ主義発言を繰り返した。ルペン氏は党首に就任後、イメージ刷新を図るために父を党指導部から追放したが、「ヘイトの党」のイメージは付きまとった。このためバルデラ氏は、反ユダヤ主義に反対するデモ行進に参加するなど党の人種差別的な印象を払拭する努力を続けている。

ただ、移民対策では強硬な姿勢を示す。バルデラ氏は下院選で勝利すれば、国内で生まれた外国人の子供が18歳になると国籍を得られる現行の仕組みを廃止するための関連法案を「数週間以内に議会に提出する」と述べている。自身はイタリア系移民の息子だが、移民急増による治安悪化のリスクや国民が仕事を奪われる事態を懸念しているとされる。バルデラ氏が首相になれば、移民への対応は「より厳しくなる」(専門家)とみられている。(パリ 板東和正)

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