プーチン氏がモンゴル大統領と会談、対日勝利誇示し結束確認 ICC加盟国だが逮捕見送り
産経ニュース / 2024年9月3日 19時52分
ロシアのプーチン大統領は3日、モンゴルの首都ウランバートルでフレルスフ大統領と会談した。プーチン氏は会談で、1939年にモンゴル国境付近で旧ソ連軍と日本の関東軍が衝突したノモンハン事件に言及。「ソ連とモンゴルは日本の侵略に断固として反撃し、主権と領土を守った」と主張し、友好関係を強調した。
ロシアはノモンハン事件を「軍国主義日本に対する旧ソ連軍とモンゴル軍の共同勝利」だと位置付けてきた。プーチン氏は今回の訪問でロシアとモンゴルの歴史的な結束を確認し、ウクライナ侵略で進んだロシアの国際的孤立の打破につなげたい考えがあるようだ。
プーチン氏は2日に現地入りした。モンゴルは国際刑事裁判所(ICC)加盟国で、ICCは昨年3月、ウクライナ侵略に伴う子供の連れ去り容疑で、プーチン氏への逮捕状を出している。モンゴルはプーチン氏を逮捕する義務があるが、今回の訪問に際してロシア政府との間で事前に逮捕を見送る合意があったもようだ。プーチン氏のICC加盟国訪問は逮捕状が出て以降初めて。
プーチン氏はフレルスフ氏との会談で、「モンゴルはわが国のアジア外交の優先事項の一つだ」とも述べ、今年10月にロシアで開かれる中露など主要新興国の枠組み「BRICS」の首脳会議にフレルスフ氏を招待した。
フレルスフ氏はプーチン氏の訪問を歓迎し、「二国間の貿易と経済発展にさらなる弾みを与える」と評価した。モンゴルにとり、ロシアは主要な輸出・輸入相手国の一つ。プーチン氏逮捕に踏み切らないのも、重要な貿易相手であることを考慮した可能性がある。
プーチン氏は二国間協力の発展などを定める一連の共同文書に署名した。ノモンハン事件から85年の節目を記念する式典にも出席する。(小野田雄一)
◇
ノモンハン事件 昭和14(1939)年5~9月、旧ソ連の影響下にあったモンゴルと、日本の傀儡(かいらい)だった旧満州国(現中国東北部)の国境をめぐって起きた大規模戦闘。日本の関東軍は大本営の戦闘不拡大方針に反して攻勢を続けたが、モンゴルを支援したソ連軍の総攻撃を受け敗北を喫した。
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