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ポーランド首相、難民申請権の停止宣言 EU共通政策に反旗 「国の安全優先」と正当化

産経ニュース / 2024年10月16日 9時13分

ポーランドのトゥスク首相(AP)

【パリ=三井美奈】ポーランドのトゥスク首相は、難民の庇護(ひご)申請権を停止すると発表した。ロシアやベラルーシが国境から不法移民を送り込み、揺さぶりの道具にしているとして、「国の安全を守る必要がある」と正当化した。欧州連合(EU)の共通移民政策をよそに、独自の国境管理を行う国が相次いでいる。

トゥスク氏はEUの前大統領。今回の決定は12日に発表した。ロシアやベラルーシはEUの人道主義を逆手に取り、不法移民を使ってハイブリッド戦争を仕掛けていると主張し、「EUはわれわれの対応を認めるべきだ」と訴えた。今夏にはフィンランドもロシアからの移民に対し、難民申請受け入れを停止している。

難民条約は「難民申請しようとする人を追い返してはならない」と定めており、EU法の原則とされてきた。欧州委員会の報道官は、移民流入に直面するポーランドの立場に理解を示す一方、「申請手続きは、確保されるべきだ」とくぎを刺した。人道団体からはポーランドの措置は「国際法に反し、人権侵害にあたる」との批判が出ている。

EUは昨年、不法移民の流入に共同で対処するため、難民審査の迅速化や受け入れ数の分担に合意した。だが、オランダは今年9月、合意からの離脱を表明。ドイツは国境管理を一方的に再開した。EU共通政策が形骸化する恐れが出てきた。

ベラルーシは2021年以降、中東やアフガニスタンからの難民や移民数万人を集めて隣国ポーランドに送り込み、ポーランドは国境沿いに壁を建設して対抗してきた。一方でポーランドは、ロシアに軍事侵攻されるウクライナから難民審査なしで約100万人を受け入れている。

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