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親ロシアか親欧米か…ジョージアで決戦の議会選挙 与党勝利ならEU加盟遠のく可能性

産経ニュース / 2024年10月26日 8時30分

南カフカス地方の旧ソ連構成国ジョージア(グルジア)で26日、議会選(定数150)の投票が始まった。ジョージアが親ロシア路線と親欧米路線のどちらに進むかを方向付ける重要な選挙になると見込まれており、国際的関心が高い。親露傾向を強める与党「ジョージアの夢」と、親欧米路線への回帰を訴える野党勢力との激戦が予想されている。開票結果次第では、抗議デモなど混乱が起きる可能性もある。

議会選に先立ち、「夢」と対立する親欧米派のズラビシビリ大統領は「この選挙は今後の国家の命運を分けるものだ」と訴えた。ジョージアでは大統領は象徴的存在にとどまり、実質的な権限は議会が握っている。

議会選は得票率に応じて各党の議席数が決まる比例代表制で行われる。得票率5%未満の党は議席割り当ての対象外となる。

2008年にロシアの軍事侵攻を受けたジョージアは「反露」を一種の国是としてきた。12年から政権を担う「夢」も親欧米路線をとり、ジョージアは昨年12月に「欧州連合(EU)加盟候補国」の地位を得た。ただ、近年はウクライナ侵略に伴う対露制裁に参加しないなど、ロシアとの関係回復を模索する動きも目立っている。

ジョージアは今年6月、外国から資金提供を受ける団体を規制する「反スパイ法」を施行。今月には同性婚や性別適合手術の禁止などを定めた「LGBT規制法」も成立した。「夢」は議会選に先立ち、選挙監視団体の弱体化や保守層からの支持拡大を狙い、両法を制定したとの観測が強い。

ロシアでは反スパイ法とLGBT規制法に類似した法律が弾圧に使われていることを背景に、EUは「夢」による両法の制定は強権主義だと非難。EU加盟手続きの一時停止を発表した。

野党勢力も両法を「ロシア法」と称して批判。「『夢』が勝利すれば、ジョージアの民主主義は失われ、EU加盟も不可能になる」と訴えている。

野党側が実施した事前の投票先調査では、「夢」が34%で首位に立った一方、18%で2位となった野党連合「統一」など親欧米派勢力への支持は計53%に上った。この調査によれば、野党連立による政権交代が起きる可能性がある。ただ、与党側による投票先調査では、「夢」が60%になったとも報じられている。

米シンクタンク「戦争研究所」は21日、「ロシアか欧米か」と題したリポートを公表。今回の議会選を「ジョージア独立以来、最も重要な選挙となる可能性が高い」と評価した。リポートによると、ロシアは「夢」が勝利した場合、南カフカス地域での影響力回復や反欧米主義の広がりをアピールするのに選挙結果を利用する可能性がある。(小野田雄一)

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