アゼルバイジャン議会選、与党が過半数維持 カラバフでも投票、奪還を誇示
産経ニュース / 2024年9月2日 8時30分
1日に投票された南カフカス地方の旧ソ連構成国、アゼルバイジャンの前倒し議会選(定数125)で、中央選管は2日、開票率91%の時点で、アリエフ大統領の与党「新アゼルバイジャン」が過半数の68議席を獲得したと発表した。暫定投票率は約37%。タス通信が伝えた。
アゼルバイジャンは今回の議会選で、約30年にわたり隣国アルメニアに実効支配され、昨年秋の軍事作戦で奪還したナゴルノカラバフ地域にも投票所を設置し、カラバフでの施政権の回復を誇示した。
地元メディアによると、アゼルバイジャン領全土での選挙実施は30年ぶり。有権者数は640万人で、カラバフなどアルメニアから奪還した地域では4万2千人。
アゼルバイジャンは2026年までに国民14万人をカラバフに再定住させる方針だとされ、社会インフラ整備や移住を進めている。
議会選は当初、今年11月に予定されていたが、国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)が同月、アゼルバイジャンで開かれることから前倒しされた。
カラバフでは1980年代後半、多数派のアルメニア系住民がアルメニアへの帰属変更を求め、アゼルバイジャンとの紛争に発展した。ロシアから支援を受けたアルメニア側がカラバフの実効支配を確立する形で94年に停戦が成立。その後も衝突が起きてきた。
アゼルバイジャンは昨年9月の軍事作戦でカラバフを奪還。約12万人とされるアルメニア系住民の大半が本国に避難した。(小野田雄一)
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