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NATO国防相会合、ウクライナの加盟で温度差 ゼレンスキー氏の戦勝計画、多難な前途

産経ニュース / 2024年10月18日 9時59分

【ナポリ(イタリア南部)=黒瀬悦成】ブリュッセルで18日まで開かれている北大西洋条約機構(NATO)国防相会合は、ロシアに侵略されたウクライナへの「揺るぎない支援」が改めて打ち出されたのとは裏腹に、ウクライナのゼレンスキー大統領が16日公表の対露戦争計画で求めた「NATOへの即時無条件加盟への招待」を巡る加盟国間の温度差が目立ち、前途の多難さを印象付けた。

1日に事務総長に就任し、今回初めてNATO会合を主催するルッテ氏は17日、「ウクライナをこれまで以上にNATOに近づける」と述べるとともに、加盟が実現するまでは、ウクライナの勝利を確実にするため「あらゆる手立てを講じ続ける」と強調した。

会合では、初参加のオーストラリアが退役を控えた豪陸軍のM1エーブラムス戦車49両をウクライナに供与すると表明した。

また、加盟国が年間400億ユーロ(6兆5100億円)規模の対ウクライナ軍事支援を続けていくとの目標について、達成されるとの見通しが示された。

一方、ウクライナのNATO加盟を巡っては、エストニアのペブクル国防相やラトビアのスプルーズ国防相が、ゼレンスキー氏の戦勝計画を支持する立場からウクライナのNATO加盟実現を早急に具体化させるべきだと表明した。

ゼレンスキー氏は17日、NATO会合に先立ちブリュッセルの欧州連合(EU)首脳会議で演説し、ウクライナのNATO加盟も含めて戦勝計画を今から実行に移せば「戦争は遅くとも2025年までに終結する」と主張した。

NATOは7月に米ワシントンで開いた首脳会議で「ウクライナのNATO加盟は不可逆的だ」とし、将来のNATO加盟を確約している。

ただし、加盟に向けた実質的な動きは出ていない。加盟国の間では、NATOの中心国である米国で11月に実施される大統領選の行方を見極めたいとの思惑が強い。加えて米国とドイツは、現時点でウクライナを加盟させればロシアが反発し、核兵器使用の恐れも含めて戦火が拡大しかねないとの懸念から「ウクライナの加盟は戦争終結後であるべきだ」と他の加盟国を説得しているという。

ウクライナが加盟するにしても、他国からの攻撃をNATO全体への攻撃と見なすNATO条約第5条の適用範囲を明確化させるため、ウクライナとロシアとの国境または境界線が明確に確定されていることが加盟の前提となるなど、加盟実現へのハードルはなお高いのが実情だ。

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