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仏マクロン与党「極右打倒」で、極左と組むのか…下院選で苦渋の決断

産経ニュース / 2024年7月4日 11時16分

フランス下院(定数577)選で、マクロン政権の与党が7日の決選投票を前に約80人の立候補者を取り下げた。支持率で首位に立つ極右「国民連合」の勝利を阻むため、野党・左派連合とともに小選挙区で候補者の一本化を図った。左派連合は極左の影響力が強く、与党内には「極右つぶしで極左と組むのか」という反発も出ている。

左派連合は、急進派の野党「不屈のフランス」が最大勢力を占める。党指導者は20世紀の革命家トロツキーの元信奉者で、マクロン大統領への抵抗運動を煽ってきた人物だ。下院選の党候補者は、情報当局の監視対象となっている過激派など左翼活動家の「つわもの」がそろっている。左派連合に加わる社会党や環境政党の中道派からも不安が出るほどだった。

だが、与党は6月30日の第1回投票で惨敗し、苦渋の選択を迫られた。

アタル首相は3日、ラジオで「極右に下院議席の過半数はとらせない。できることはまだある」と宣言した。左派連合との協力では、不屈のフランスを排除しない立場を示した。第1回投票で選挙区で3位になった与党候補者を辞退させ、左派連合と事実上の統一戦線を組む。下院選は2回投票制。決選投票は第1回投票の上位候補が争い、最多得票者が当選する。

左派連合も与党にあわせ、3位候補が相次いで撤退した。報道によると、撤退組は計約210人となり、候補者が3人以上いる混戦区は約3分の1に減った。各区で首位に立っていた国民連合には逆風となる。

「排除政策より、現実見よ」の声も

フランスで、国民連合は長く「人種差別政党」として忌避された。国政選挙では決戦投票に同党候補が進むと、保革中道政党が立場の違いを超えて連携し、当選を阻止してきた。マクロン政権は、今回もその伝統を踏襲しようとした。だが、現在の国民連合は支持率で3割を超え、政界再編の軸となった。「排除政策はもう古い。現実を見よ」という声は強い。

マクロン大統領は選挙前、左右両極の台頭は「内戦につながる」と国民に警告し、与党への支持を呼び掛けてきた。左派連合の公約を「バカげている」と一蹴した。それが「180度の姿勢転換」(ルモンド紙)に追い込まれ、政策論争は吹き飛んだ。なりふり構わぬ姿勢が、国民に印象付けられた。

第1回投票の全国得票率で国民連合は首位、左派連合は2位となり、与党は3位だった。大統領は2027年まで任期があり、下院選後に新首相を任命する。(三井美奈)

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