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露軍、主力戦車1400両喪失 ウクライナは兵員補充に苦慮 ミリタリー・バランス最新版

産経ニュース / 2025年2月12日 20時0分

【ロンドン=黒瀬悦成】英政策研究機関「国際戦略研究所」(IISS)は12日、世界の軍事情勢をまとめた報告「ミリタリー・バランス」の2025年版を公表した。ロシアによるウクライナ侵略に関し、露軍が24年に約1400両の主力戦車を戦闘で喪失したとする一方、ウクライナ軍が失った兵員の補充に苦しんでいると指摘。インド太平洋地域では、中国が4隻目の空母の建造に着手するなど戦闘能力の強化を進めているとした。

報告によると、ウクライナ戦争では露軍とウクライナ軍の双方が大きな被害を出しているものの、露軍は東西冷戦期から残存する大量の兵器類や、北朝鮮、イランからの支援によって継続的に兵力を増強させているとした。

ただ、露軍は戦闘車両の不足が明白で、今後も継続して攻勢を仕掛ける場合、戦死者が増加していく公算が大きいと分析した。

対するウクライナは米欧諸国から先端兵器を受け取っているが、その数量はウクライナの要望を満たしておらず、兵器使用の裁量も制約されている。欧州連合(EU)は24年に100万発の155ミリ砲弾をウクライナに供与する目標を達成できなかったが、報告は25年末までに年間200万発を供与する態勢が構築できるとの見通しを示した。

24年の世界の軍事費支出はウクライナ戦争の長期化などを受け、前年比実質7・4%増で過去最大の2兆4600億ドル(約377兆円)となった。

このうちロシアは41・9%増の1459億ドルで、国内総生産(GDP)の6・7%を占めた。

欧州全体の国防費支出は11・7%増の4420億ドル。最多はドイツの860億ドル(23・2%増)で、米国(9680億ドル)、中国(2350億ドル)、ロシアに次いで世界4位となった。

中国に関しては、近代化を進める中国軍が昨年、宇宙やサイバー、心理戦などの能力を統合する目的で15年に創設した戦略支援部隊を、情報支援部隊と軍事宇宙部隊、サイバー空間部隊の3つに分割したことを紹介した。

中国軍はこれにより、陸海空軍とロケット軍の4軍種と、新たに誕生した3部隊に統合兵站(へいたん)支援部隊を加えた4部隊に再編成された。

報告は、新たに生まれた3部隊が習近平国家主席をトップとする中国共産党中央軍事委員会の直接指揮下に置かれたとして、中国軍が将来の「知能化戦争」に対応するため、習氏の主導で人工知能(AI)などの先端技術能力を向上させているとの見方を示した。

報告はまた、中国が「軍民融合」を深化させ、民間技術の軍事転用などを通じた兵器調達の円滑化や、軍民合同の研究開発を促進させていると指摘した。

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