英極右勢力、７日も３０カ所で暴動を計画 スターマー首相は取り締まり強化を警告

【ロンドン＝黒瀬悦成】英国各地で極右勢力に扇動された暴動が連日続発している問題で、スターマー首相は６日、閣僚らを招集して緊急事態対策委員会の会合を開き、取り締まりの強化を確認した。７日に英国内の計約３０カ所で反移民の集会が計画され、治安当局が警戒を強化している。

スターマー氏は会合後、警官隊を動員して各地域の安全に保つことを確約すると述べた上で、「騒乱に関与した者は圧倒的な法の力を痛感することになる」と警告。暴力的デモに加わらないよう訴えた。

一連の暴動ではこれまでに４００人以上が逮捕され、一部は出廷して裁判を受けた。検察当局によると、暴動罪で有罪となれば最大で禁錮１０年を科せられる可能性がある。悪質な暴力行為などに関与した容疑者は、より罪状の重い反テロ法違反で起訴される可能性があるとしている。

英メディアによると、一連の暴動を扇動してきた極右系のウェブサイトやソーシャルメディアでは、ネオナチ思想に基づきユダヤ系住民への攻撃をそそのかす書き込みが登場。一部のサイトは海外で運営されている可能性があるという。

一方、右派政党リフォームＵＫを率いるファラージ下院議員や、Ｘ（旧ツイッター）を所有する実業家のイーロン・マスク氏は、警察の取り締まりが極右に厳しく人種・宗教的少数派に甘い「二重構造」だとする、暴徒に肩入れする根拠の薄い主張を展開している。