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G7首脳声明、ウクライナ支援はロシア資産を活用 戦争長期化に加担する中国へ警告

産経ニュース / 2024年6月15日 19時12分

【ファサーノ(イタリア南部)=板東和正】14日に採択された先進7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳声明はウクライナ侵略を続けるロシアと、それを支援する中国を強く意識した内容になった。凍結した露資産をウクライナ支援に使う正当性を主張すると同時に、中国を戦争長期化の一因と捉え、断固とした態度で対処する姿勢を打ち出した。

声明は、露資産を活用した今回の支援をウクライナへの「賠償金」だと説明。ロシアが侵略でウクライナに生じさせている損害を「賠償する国際法上の義務は明確だ」として正当性を強調した。

「損害を賠償するか否か、またいつそれを行うかをロシアが決めるのは正しくない」とも明記し、ウクライナや西側諸国が賠償金支払いの時期や手法を決める立場にあることを暗に示した。

欧米で「支援疲れ」が表面化

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は露資産の活用について「この侵略戦争の損害を支払うのは欧州の納税者ではなく、プーチン(露大統領)だというメッセージだ」と指摘。欧米で「支援疲れ」が表面化する中、支援継続に異議を唱える市民の不満を抑制する狙いもうかがえる。

また、G7は声明で、ロシアの戦争継続能力を減少させるために兵器製造に利用可能な物資の対露輸出を禁止した制裁措置が中国に「骨抜き」にされている現状に危機感を示した。

声明は中国がロシアの防衛産業に支援しているとしたうえで、「重大で広範な安全保障上の影響がある」と警戒した。中国などからロシアに供給される重要物資はウクライナだけでなく、「欧州の安全保障に長期的な脅威をもたらす」(米高官)恐れがあるためだ。

さらに、ロシアの軍事機構を支援する中国の金融機関などへの制裁に言及した。欧州政治の専門家は「G7は声明を通して、ロシアに協力すれば同様に制裁の対象になることを中国などに警告した」と分析する。

AIの軍事利用に枠組み必要

一方、声明は人工知能(AI)の軍事利用に関し、責任ある開発と利用の枠組みの必要性を指摘した。

AIを巡っては、台湾海峡で軍事的圧力を強める中国などがAIを利用した自律型致死兵器システム(LAWS)の開発を加速させる可能性が出ている。LAWSが実用化すれば武力行使の判断が瞬時に下り、一気に紛争化する恐れなどもあるだけに、早期の規制が求められている。

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