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英保守党の次期党首選始まる 右傾斜か中道路線維持か 右派女性ベーデノック氏に注目

産経ニュース / 2024年7月30日 9時58分

英保守党の党首選に名乗りを上げたクレバリー氏(左下)や、ベーデノック前ビジネス貿易相(左上)ら6人(AP)

【ロンドン=黒瀬悦成】今月4日の総選挙で歴史的大敗を喫し、野党に転落した保守党の次期党首選の立候補届け出が29日に締め切られた。既に党首辞任の意向を表明済みのスナク前首相の後継者選びの行方は、将来の政権奪還に向けて党の政策路線をより右派寄りに傾斜させるか、伝統的な中道保守の立場を維持するかを占うものとなる。

党首選に名乗りを上げたのは6人。このうち中道派とされるのが、スナク前政権で外相や内相を務めたジェームズ・クレバリー氏、安全保障担当相だったトム・トゥーゲンハート氏、メル・ストライド前労働・年金担当相の3人だ。

加えて、反欧州連合(EU)や反移民を唱える党内右派陣営からロバート・ジェンリック元移民担当相、インド系女性のプリティ・パテル元内相が出馬を表明した。

そして、下馬評で最有力の一人に目されているのが、ナイジェリア系の黒人女性のケミ・ベーデノック前ビジネス貿易相だ。

ベーデノック氏は戦闘的な言動で知られ、同性婚や左派の「偏向教育」に猛反対する強硬右派として党内の一部からは「若手有望株」と目されてきた。

度重なる不祥事や経済政策の失敗などで批判を浴びた保守党は、総選挙で240以上の議席を失った。

こうした中でベーデノック氏が有力視されるのは、総選挙で保守党を見限った有権者の多くが大衆迎合政治家のナイジェル・ファラージ氏率いる右派政党「リフォームUK」に投票したとみられているためだ。

ベーデノック氏は、総選挙の敗因は「党が政策の一貫性を失っていたためだ」と主張し、より強硬な移民対策を打ち出すことで2030年までに党を再建し、リフォームUKから票を奪い返すと訴える。

ジェンリック氏も元々は英国のEU残留を支持した中道派だったが、党内での右派の台頭にあやかろうと転向した経緯がある。

対する中道派のクレバリー氏は、党重鎮や大口献金者らの幅広い支持を得ているとされる。人当たりの良さでも知られ、党派を超えた支持を拡大するのに適任との指摘もある。

労働党が今回、左派路線を捨てて中道に回帰したことで政権を奪還した経緯から、党の急激な右傾斜は逆に命取りになる、と懸念する声も少なくない。

党首選の運営を管理する党の「1922委員会」によると、選挙運動を経て9月に議員投票で4人に絞り込む。9月29日~10月2日の党大会での4候補の演説を経て、同月10日の議員投票で2人を選出。さらに、同月31日を締め切りとする党員による決選投票を実施し、結果は11月2日に発表される。

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