フランス極右、下院選第1回投票で初の首位 決選投票で過半数獲得が焦点に
産経ニュース / 2024年7月1日 20時19分
【パリ=板東和正】フランス国民議会(下院、定数577)総選挙の第1回投票が6月30日行われ、即日開票された。移民制限などを訴え、欧州連合(EU)に懐疑的な極右政党「国民連合(RN)」が得票率で首位となり、第1党に躍進する勢い。マクロン大統領率いる最大勢力の与党連合は第3勢力に後退する見通しだ。最終議席が決まる7日の決選投票では、RNが過半数を獲得するかが焦点となる。
極右の得票率首位は初めて
仏紙ルモンドが報じた内務省の暫定最終結果によると、RNの得票率は共闘勢力を含め約33%で、左派連合「新人民戦線」が約28%で続く。中道の与党連合は約21%にとどまった。下院選第1回投票で極右が得票率首位となるのは初めて。
選挙は小選挙区制で、第1回投票で過半数を得票した候補者がいない場合、上位2人による決選投票が行われ、3位以下でも有権者の12・5%以上の票を得れば参加資格を得る。決選投票では最多得票者が当選する。第1回投票で当選が決まったのは計76人。
調査会社IFOPによる予想獲得議席はRNが240~270で、新人民戦線が180~200。与党連合は60~90で解散前の250議席から大幅に減少すると見込まれる。別の調査では、RNが過半数の289議席を上回るとの予想も出ている。
RNバルデラ党首は首相就任に意欲
フランスでは通例として大統領が議会多数派から首相を指名してきた。RNのバルデラ党首は過半数の議席を獲得した上で首相に就任する意欲を見せており、RNを事実上率いるルペン前党首は「われわれには過半数議席が必要だ」とさらなる支持を呼びかけた。マクロン氏は決選投票に向け各勢力に「幅広い連携」を訴えた。今後は他勢力との選挙協力も焦点となる。
選挙は、与党連合が6月のEU欧州議会選でRNに大敗したマクロン氏が、国民に信を問うために議会を解散して行われた。投票率は66・7%。第1回投票としては2002年以降で最高となった。
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