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欧州議会選、フランスは極右政党の圧勝か 焦り隠せないマクロン仏大統領

産経ニュース / 2024年6月4日 17時20分

【パリ=板東和正】6~9日に実施される欧州連合(EU)の欧州議会選で、フランスでは移民制限などを訴える極右政党、国民連合(RN)がマクロン大統領率いる与党連合に圧勝する勢いをみせている。RNが勝利すれば、2027年の次期仏大統領選の行方にも影響しかねず、マクロン氏陣営は警戒を強めている。

「マクロン氏は時代遅れだ。私たちがフランスと欧州を再編する」。RNのバルデラ党首は2日、パリで開かれた集会で高らかに宣言した。集まった約5千人の支持者は「フランスを救えるのは国民連合だけだ」と歓声を上げた。

独の次に多い議席が割り当て

欧州議会(定数720)は、27加盟国に人口比で議席が配分されており、フランスはドイツ(96議席)の次に多い81議席が割り当てられる。欧州議会選では極右・右派政党の伸長が予想されるが、特にRNの勢いは際立っている。仏調査会社IFOPによると、5月末でRNの支持率は33・5%と首位。欧州議会で親EUの中道会派「欧州刷新」の中核を担うマクロン氏の与党連合(15・5%)に倍以上の差をつけた。

RNが掲げる主張は、EUの域外国境管理の厳格化やEUの環境規制への反対だ。フランスでは中東やアフリカからの難民や移民が急増し、麻薬密売など犯罪に手を染める不法移民も目立つため、その流入の制限を目指す。環境規制には物価高や農家の生産性低下を招くとの懸念が国民に広がっており、RNに共感する有権者は増加している。

RNはロシアの侵略が続くウクライナへの軍事支援拡大にも否定的で、「支援疲れ」が進む中、RNの姿勢を支持する国民も多い。2月のIFOPの調査では、欧州諸国がウクライナに兵器を供与する方針に賛成する仏国民は50%で侵略開始時より15ポイント低下した。

27年の仏大統領選の行方を占う

仏メディアは欧州議会選を「マクロン氏(を評価する)国民投票」とし、27年の仏大統領選の行方を占う試金石とも位置付ける。フランスでは大統領の3選が禁じられ、現在2期目のマクロン氏の再登板はない。一方、RNでは22年の前回大統領選決選投票でマクロン氏と争い、今も党を事実上率いる前党首のルペン氏の出馬が取り沙汰される。RNが欧州議会選で支持を盤石にすれば、マクロン氏が「後継」を立てても苦戦となる可能性が高まる。

焦りを隠せないマクロン氏は5月下旬、ルペン氏との公開討論会を提案。「欧州の守護者としてRNの正体を暴く」と表明し、討論会で形成逆転を目指す意欲を見せた。一方、ルペン氏はマクロン氏が欧州議会選で敗北した場合の辞任などを約束すれば参加する考えを示した。欧州政治の専門家は「討論会が実現しても、マクロン氏が独走するRNを追い越すのは困難だ」と分析している。

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