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露の侵攻開始2年半、ウクライナの越境作戦は戦争終結の転機か 「独善と過信の隙突いた」

産経ニュース / 2024年8月23日 21時10分

【キーウ=黒瀬悦成】ロシアがウクライナへの侵攻を開始して24日で2年半となる。ウクライナは、東部や南部での戦況の膠着(こうちゃく)を打開するため、今月6日からロシア西部クルスク州へ地上部隊による越境攻撃を開始し、制圧地域を着実に拡大させている。プーチン露大統領が制圧地域の奪還に向け反攻作戦を展開するのは必至とみられ、ウクライナ情勢は大きな転機を迎えつつある。

越境作戦で有利な終結狙う

ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、退役軍人の集会での演説で、クルスク州での越境作戦は「戦争をウクライナに有利な形で終結させるのが目的だ」と指摘し、制圧地域の返還と引き換えに露軍にウクライナからの撤退を求める交渉の土台作りを模索していることを示唆した。

一方、ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ウクライナ東部ドネツク州で露軍が同州の主要都市ポクロフスクに向けて進撃していることを認めた上で、砲弾や弾薬の不足で戦況が悪化しないよう、支援国に対し弾薬供給に関する約束を確実に履行するよう訴えた。

戦争終結へ交渉開始は「瀬戸際」

ウクライナ大統領直属の諮問機関「国立戦略研究所」のベレスコフ研究員は産経新聞の取材に「越境作戦はロシアの独善と過信による隙を突いた奇襲攻撃が奏功した」と語った。

その上で「クルスク州ではさらに支配地域の拡大が期待される。そうなれば露軍はドネツク州からクルスク州に兵力を振り向けざるを得なくなり、露軍からの攻撃圧力は分散される」との見方を明らかにした。

ベレスコフ氏によると、クルスク州に展開するウクライナ軍将兵の数は8千~1万人規模。露軍が効果的な反攻作戦を実施するにはその3~4倍の兵力が必要となるものの、「現在の露軍には短期間でそれだけの兵力を整える能力も余裕もない」と分析した。

一方、ウクライナ政府の元高官は本紙に対し、戦争の終結に向けた交渉の可能性について「現時点でロシアとの話し合いで一致する余地がないわけではない。中露の首脳が接触を重ねるなど、気になる動きも出ている」と指摘し、交渉が開始できるかどうか「瀬戸際にある」との認識を明らかにした。

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