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五輪期間中、市民がパリから脱出 観光需要は低迷…レストラン「営業妨害」と恨み節 パリの窓

産経ニュース / 2024年7月26日 7時0分

「こんなに客が少ないのは新型コロナウイルス感染が広がった時期以来だよ」

先週の土曜日、パリ市内にあるイタリアンレストランを訪れると、店主の男性が苦笑していた。普段は行列ができる人気店だが、その日は店内に2、3組しか入っていなかった。五輪の開会を26日に控えるパリでは、宿泊料金の高騰やテロの脅威から観光需要が低迷しただけでなく、多くの市民までもが一足早くバカンスに出かけている。

友人のパリ市民も先週、家族とともにパリを出て仏南部で休暇中だ。「五輪に興味がないわけじゃないけど、通行規制や混雑に巻き込まれるなんてまっぴら御免。家族と相談して脱走したよ」と笑った。

友人の知り合いは、五輪の期間に合わせてパリから離れてリモートワークを行っている。「パリ脱出」を望む従業員のために、五輪期間中のみ特別にリモートワークを認める仏企業もあるそうだ。

パリが閑散とする中、一部のホテルやレストランは〝省エネ〟を図る。従業員を休ませたり一時的に休業したりする店舗が目立つ。ただ、五輪に合わせて稼ぐことを見込んでいた経営者にとっては想定外だった。あるレストラン店主は「五輪の招致を進めた政府やパリ市による営業妨害だ。国に賠償を要求したい」と憤った。(板東和正)

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