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英保守党の次期党首選、右派2人による決選投票へ 穏健路線からの決別は確実

産経ニュース / 2024年10月10日 8時43分

【ロンドン=黒瀬悦成】今年の英総選挙で大敗して野党に転落した保守党の次期党首選は8、9日、所属下院議員による投票が行われた。9月の議員投票で絞り込まれていた4候補のうち中道穏健派の2人が脱落し、右派のベーデノック前ビジネス貿易相とジェンリック元移民担当相が決選投票に進むことが確定。保守党は次の党首の下で伝統的な穏健保守路線から、移民政策などで強硬な主張を打ち出す右派路線への転換が確実な情勢となった。

8日に実施された下院議員投票では、4人のうち最も得票が少なかった中道派のトゥゲンハート前安全保障担当相が脱落した。

続く9日の投票はベーデノック、ジェンリック両氏と中道派のクレバリー元外相の3人による対決となった。8日の投票で最も得票が多かった有力候補のクレバリー氏が最下位に沈む予想外の展開により、右派候補2人が勝ち残った。

各候補の得票数はベーデノック氏42、ジェンリック氏41、クレバリー氏37。

今後、十数万人の保守党員によるオンライン形式の決選投票が31日まで実施され、11月2日の結果発表で新党首が決まる。党首選期間中、暫定党首を務めるスナク前首相は、新党首が選ばれ次第辞任する。

ベーデノック氏はナイジェリア系移民を両親に持つ黒人女性で、人種的少数派や性的少数者の権利拡大などを過剰に要求する左派勢力が英国の伝統的価値観を脅かしているとして、左派に対する「文化戦争」を唱えている。

経済では減税と自由市場主義の信奉者でもある。

対するジェンリック氏は強硬な移民排斥派として知られ、党首選でも移民問題を最大の争点に掲げる。

今月上旬に中部バーミンガムで開かれた党の年次大会では「不法移民の拘束と即時国外追放」の持論を展開した。また、移民全般が英国の文化を弱体化させていると主張し、合法移民に関しても受け入れ数に厳格な上限を設けるべきだとしている。

同氏はまた、欧州人権条約が不法移民の国外移送や強制送還を阻む足かせになっているとして、同条約からの離脱を訴えている。

保守党は右派路線を打ち出すことで、7月の総選挙で右派の大衆迎合政党「改革党」に流れた支持層の回帰が期待できる。一方で、右派路線を敬遠する穏健派の支持者が離れるリスクも指摘されている。

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