ウクライナがロシア領１０００平方キロ制圧 外務省報道官「占領継続の意思ない」

【キーウ＝黒瀬悦成】ロシア西部クルスク州への越境攻撃を続けるウクライナ軍のシルスキー総司令官は１２日、同州の約１千平方キロを制圧したと明らかにした。ウクライナのゼレンスキー大統領は、一連の作戦でロシアがウクライナへの越境攻撃の拠点としていた地域を全て掌握したとし、越境攻撃には「ウクライナの安全保障がかかっている」と強調した。

１千平方キロは東京都の面積の半分弱にあたる。ウクライナ軍によるロシアへの初の大規模越境攻撃となる今回の作戦で、最大級の戦果となった。

一方、クルスク州のスミルノフ知事代行は１２日、制圧されたのは４８０平方キロだと説明。米シンクタンク「戦争研究所」はウクライナの制圧地域は約８００平方キロとの見方を示した。

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナによる越境攻撃について「重大な挑発行為だ」と反発し、報復を示唆した。

ウクライナの越境攻撃は、同国東部ハリコフ州やドネツク州で攻勢を強める露軍の戦力を分散させる狙いがある。ウクライナ外務省報道官は１３日、「クルスクの制圧地域の占領を続ける意思はない」と指摘した。