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五輪開会式の芸術監督 演出批判に「ギロチン美化ではない」と反論 「芸術表現のため」

産経ニュース / 2024年7月29日 17時27分

パリ五輪開会式の演出をめぐって論議が広がる中、式典の芸術監督を務めたフランスの舞台芸術家トマ・ジョリーさんが28日、仏民放テレビに出演した。18世紀の革命で処刑されたマリー・アントワネット王妃のパフォーマンスに批判が出ていることに対し、「ギロチンを美化したわけではない」と反論した。

「『最後の晩餐』着想得ていない」

王妃は開会式の中で、かつての監獄コンシェルジュリの窓から自分の首を持って登場する。流血を思わせる赤い紙テープが舞う中、革命時代の流行歌がヘビーメタル調で鳴り響く、という演出だった。

ジョリーさんはこの場面について、「劇場的な効果を狙い、王妃の化粧も(無表情な)プラスチック風にした。すべて芸術表現のため。ギロチンという処刑道具は美化してはいない」と述べた。共にテレビ出演したダフネ・ビュルキ衣装監督も、コンシェルジェリは革命の舞台だったことを強調し、この場面は「フランスと五輪の歴史に対する敬意」の表現だったとした。

開会式ではこのほか、キリストの「最後の晩餐(ばんさん)」を思われる食卓に女装のドラッグクイーンが勢ぞろいする場面もあり、カトリック教会が遺憾の意を表明した。ジョリーさんは、「最後の晩餐」に着想を得たものではないと主張。ギリシャ神話に出てくる豊穣と酒の神ディオニソスを登場させることが狙いだったと説明した。「(ディオニソスは)フランスが誇るワインの神。セーヌ川とゆかりがある女神セクアナの父でもある。五輪をオリンピアの神々の祝祭に結びつける演出で、嘲笑や批判の意図はない」と述べた。この場面では、青い裸体の男性がディオニソスに扮して食卓の上に登場する。

ジョリーさんはまた、演出の狙いは「われわれの共和国の価値観『自由、平等、友愛』を確認すること」だったとして、「(五輪という)集いの時の裏側で、われわれの作品が分裂や憎悪をかきたてるのに利用されたら、非常に残念なことだ」と述べた。フランスで右派政治家やメディアが演出を批判をしていることを意識した発言とみられる。(三井美奈)

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